98%の企業、「歓送迎会や花見、開催しない」。飲食業、関連業種への打撃懸念

 昨年末より新型コロナウイルス感染症の感染拡大が加速し、1月には2度目の緊急事態宣言が発出された。さらに宣言の延長が決まり、今のところ3月7日までスケジュールどおり宣言は解除されない見込みだ。昨年後半からの感染拡大でほとんどの企業が忘年会や新年会をとりやめ飲食業界は大打撃を受けた。宣言解除予定の3月8日以降は歓送迎会や花見のシーズンとなり、飲食業にとっては稼ぎ時で収入回復のチャンスだが、年末年始と同様にほとんどの企業が歓送迎会や花見を自粛する見込みで、飲食業への更なる悪影響が懸念されている。

 東京商工リサーチが有効回答1万1119社の「歓送迎会・お花見に関するアンケート調査」を2月上旬に実施し、16日にその集計結果を公表している。これによれば、今シーズンに歓送迎会や花見を「開催しない」と回答した企業の割合は97.6%で、ほとんどの企業が開催しない予定だ。これは昨年末の調査で忘年会・新年会を開催しないと回答した企業の割合94.22%を上回っている。

 コロナの流行には地域差があり宣言が発出された地域は11都府県のみだが、歓送迎会・花見を「開催しない」予定の企業の割合は47都道府県すべてで9割を超えている。最も少なかったのは島根県の92.0%で、次いで秋田県93.1%、宮崎県93.1%、熊本県93.8%、青森県94.9%の順だが、この5県を除く42都道府県では95%を超えている。

 緊急事態宣言が発出・延長された10都府県では、東京都が98.6%、神奈川県99.6%、千葉県98.9%、愛知県99.0%など99%前後に達しており、ほぼ全ての企業が自粛予定と言っても良い。最も多かったのは徳島県の100%で自粛率は必ずしも感染の広がりとは関係なさそうだ。

 昨年末から忘年会の自粛が始まり、すでに宴会や会食の自粛が定着するなか、再度の緊急事態宣言が発出され、時短営業や外出自粛により飲食業は大打撃を受けているが、宣言解除後の3月、4月も売上回復は見込めなさそうな空気だ。年末年始に引き続き春の「稼ぎ時」もまた厳しい状況になる模様で飲食業や関連業種の破綻の加速が懸念される。(編集担当:久保田雄城)

東京商工リサーチが「歓送迎会・お花見に関するアンケート」調査。「歓送迎会や花見を開催しない予定」の企業は97.6%

© 株式会社エコノミックニュース