ゼロから始めるリモートワーク!働く環境を快適にアップデートしよう 第11回 リモートワーク中に自宅のWi-Fi通信速度を改善するには?チャンネル設定編

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今回も前回に引き続き、リモートワークの作業環境を快適にするために、Wi-Fiの通信速度の改善にチャレンジしていきます。Wi-Fiの通信速度を改善する上で知っておきたいもうひとつの要素に「チャンネル」があります。

通常であればあまり意識する必要はありませんが、もし周辺に多数のWi-Fiや家電製品の電波が飛び交って通信速度に影響を与えていそうな場合は、チャンネルの設定を見直すことで状況が改善するかもしれません。

Wi-Fiのチャンネルとは何か?

Wi-Fiの電波は、2.4GHz帯/5GHz帯ともに帯域の全体を使うわけではなく、各帯域の中をさらに細かな周波数で区切って通信します。具体的には5MHzごとに区切られており、これを「チャンネル」と呼びます。

2.4GHz帯は14個のチャンネル(14チャンネル目はIEEE 802.11bの日本独自のもの)が用意されていますが、1つの電波が22MHzでチャンネル数では4チャンネル強を占有するので、実際に完全に干渉しないで使用できる電波の数は3つ程度になります。対する5GHzは、1つの電波が使用する周波数は20MHzで、全体では19本の電波が干渉なしで通信できます。

さらに現在では、複数のチャンネルを束ねて使用する「チャンネルボンディング」と呼ばれる方式も普及しています。IEEEE 802.11nやIEEEE 802.11acではこの方式で、1つの電波が40MHzや80MHzを利用することで高速な通信を実現しています。

自分のWi-Fiネットワークの近くに同じチャンネルを利用しているネットワークがあると、電波の干渉が発生して通信に影響が出ることがあります。したがって、安定した通信を実現するには、周囲で使用されていないチャンネルを選択することが理想になります。

通常、Wi-Fiルータは自動で使用するチャンネルを選択します。その際に、周囲の電波の状況を把握して最適なチャンネルを選んでくれるかどうかはWi-Fiルータによって異なるため、自分の使用している製品の機能をよく確認しておくといいでしょう。

周辺の電波状況に合わせてチャンネル設定を見直す

前述のように、Wi-Fiルータが使用するチャンネルは自動で選択されるため、ユーザーが気にする必要はほとんどありません。しかし、もしWi-Fiの電波は十分に届いているはずなのに通信速度が上がらない場合には、混雑したチャンネルを使用していることが原因となっている可能性もあります。

Google PlayやApp Storeなどのアプリストアを使って「WiFi アナライザー」などのキーワードで検索すると、周囲のWi-Fi電波の利用状況を調べられるさまざまなアプリが見つかるはずです。

例えば、次のスクリーンショットは、Android用の「WiFi Analyzer」というアプリで筆者の仕事部屋のWi-Fi電波を調べた様子です。このアプリでは、周囲を飛んでいるWi-Fi電波をスキャンして、その使用しているチャンネルをグラフで表示してくれます。

2.4GHz帯はほぼ全チャンネルに渡って混み合っていますが、その中でも3チャンネルや12、13チャンネル辺りが比較的空いているように見えます。5GHz帯はほとんどの電波が36から48チャンネルを使用しており、その他のチャンネルは空いていることがわかります。Wi-Fiルータがこれらの比較的空いているチャンネルを使用するように設定すれば、混線を避けることができるというわけです。

Wi-Fiルータが使用するチャンネルの設定方法は製品ごとに異なるので、それぞれのマニュアルを参照してください。Wi-Fiルータの設定画面では、次の例のように有効にする周波数帯(2.4GHz / 5GHz)に加えて、使用するチャンネルを選択できます。

この図の場合、「無線チャンネル」が使用するチャンネルを決める項目で、2.4GHz帯は1~13チャンネルを、5GHz帯は36~64チャンネルと100~140チャンネルから自動で設定されるようになっています。しかし筆者のこのWi-Fiルータの場合、チャンネルの自動選択はルータの再起動時に行われ、以降は自動では変更されないので、時間が経つにつれて最適なチャンネルではなくなってくる可能性があります。

先ほど調べた限りでは52~64チャンネルが空いていたので、このチャンネルを使用するように設定を変更すれば、当面は混雑を避けられそうです。もちろん、チャンネルの混雑状況は刻一刻と変化するので、手動で設定する場合は定期的にチェックして修正することが望ましいでしょう。

なお、設定項目の「周波数帯域幅」は1つの電波が使用する周波数の幅で、基本は2.4GHz帯が22MHz、5GHz帯が20MHzですが、さきほど触れたチャンネルボンディングによってより広い幅の周波数を利用できるようになっています。

まとめ

前回と今回は、自宅のWi-Fiの通信速度に影響する要素の1つとして、Wi-Fiの電波が使用する周波数帯について解説しました。Wi-Fiルータを適切な場所に設置し、周波数帯やチャンネルの設定を調整することで、いま使っているWi-Fiルータのままでも通信速度を改善することができるかもしれません。

チャンネル設定までくるとちょっとした専門知識が必要ではありますが、満足な通信速度が出ずに仕事の効率が落ちているというような場合はチャレンジしてみる価値があるでしょう。