楽天ドラ1早川、開幕ローテ当確も「50点」 田中将から学びも辛口評価のワケ

楽天・早川隆久【写真:荒川祐史】

“ゼリー効果”で体重減の悩み克服も自己採点は「50点」と厳しかった

楽天のドラフト1位ルーキー・早川隆久投手(早大)が22日、沖縄・金武キャンプを打ち上げた。石井一久GM兼監督は開幕先発ローテについて「皆さんが(記事に)書いているように、ワク(涌井秀章)、岸(孝之)、ノリ(則本昂大)、(田中)将大、早川。そのあたりは順調に調整してくれている」という表現で、早川に事実上の“合格通知”を出した。

20日の日本ハムとの練習試合で実戦初登板し、2回1安打3奪三振無四球無失点。球威、コントロールとも申し分なく、まずは非の打ちどころのない内容だった。これほど豪華な顔ぶれの先発投手陣に割って入ったのだから、4球団の1位指名が競合したプロの見立てに間違いはなかった。

早川は22日間のキャンプを「先輩の皆さんとコミュニケーションを取り、新たな知識を得られたことが物凄く大きな収穫だと思います」と総括した。岸からはカーブ、田中将からはカットボールの投げ方を教わり、従来の自己流に改良を加えつつある。

田中将からは「プレート(投手板)の使い方を勉強するために、(踏む位置を)1度変えてみるのもいい」ともアドバイスされたとか。34歳の涌井からは「自分も若い頃はウエートトレーニングの量が多かったが、年を取るに従って減らし、ランニングの量を増やした。そういうシフトチェンジが大事になってくる」と聞いたそうで、早川にとっては10年後に役立ちそうな内容を含んでいる。

「自分の技術はそこまで上がったわけではないので」

ルーキーイヤーから実績抜群のベテランに囲まれたことは、早川にとって願ってもない幸運だった。もちろん、野球に関して非常にストイックな半面、人懐こい”愛されキャラ”であることも幸いしたのだろう。ニックネームは、涌井が呼び始めた「タカピー」が定着しつつある。

アマチュア時代は体重が減りやすいのが悩みの種だったが、球団コンディショニング部管理栄養士の長坂聡子さんに相談し、ゼリーなどで間食を取るようにしたところ、体重はむしろキャンプ前より1.5キロ増えて77.5キロとなった。

これだけの収穫があって、キャンプの自己採点が「50点」とは厳しすぎるだろう。「いろいろな方々とコミュニケーションを取れて知識を蓄えられたのは良かったのですが、自分の技術はそこまで上がったわけではないので」と説明したが、このキャンプの成果を今後改めて実感することがありそうだ。

石井監督は「プロは1年目から簡単に活躍できる世界ではない。オープン戦はともかく、シーズンに入ってからうまくいかないことが出てくる」と釘を刺しつつ、「チームとしてフォローしていくし、本人にも全部を跳ね返す力があると思う」と高く評価。このドラ1ルーキーに関しては今のところ、楽しみしか浮かんでこない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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