エンゼルス・トラウト 目標は7年ぶりのポストシーズン進出

昨夏に第1子が誕生して父親となったマイク・トラウト(エンゼルス)は、息子の成長を見守りながら充実したオフシーズンを過ごしたようだ。そして迎えた2021年シーズン。トラウトは「僕はプレーオフを目指している。僕たち全員だ。それを目指さないなら毎年ここ(=キャンプ地)にいるべきじゃないと思う。その目標を持って毎年戦っている。今年も変わらないよ」と語り、2014年以来のポストシーズン進出を今季の最大の目標に挙げた。

現在29歳のトラウトは9年連続MVP投票5位以内というメジャー史上初の快挙を成し遂げ、MVP3度、2012年新人王、オールスター・ゲーム選出8度、シルバースラッガー賞8度、オールスター・ゲームMVP2度、打点王1度、盗塁王1度など輝かしい実績を残してきたものの、ポストシーズンに出場したのは2014年の1度だけ。しかも、この年は地区シリーズでロイヤルズの前に3連敗で敗退しており、ポストシーズンの試合で勝利した経験がないのだ。

トラウトは「やあ、マイク。今度の新戦力はキミをプレーオフへ連れて行ってくれるのかい?」といったことを毎年のように言われており、「もう聞き飽きた」という。「もちろんプレッシャーは感じている。毎年言われているからね」とトラウト。しかし、「僕は自分にできることに集中して、チームのためにベストを尽くすだけさ。年齢を重ねているけど、僕はまだ若い。身体の状態はとても良いよ」と周囲の雑音に耳を貸さず、7年ぶりのポストシーズン進出に向けて着々と準備を進めている。

近年は守備力の低下が指摘されており、トラウトは守備力アップのために基礎からやり直すつもりだという。「打撃練習中にもボールを正しく追いかけて、より良いジャンプをするといったことを意識していきたい。僕たちのチームには優秀な外野守備コーチがいる。僕は彼らに最高の外野手になってゴールドグラブ賞を獲ると宣言しているんだ。それも僕の目標だよ」とトラウトはモチベーションを失うことなく、常に向上心を持ってプレーを続けている。

ジョー・マドン監督はアーニー・バンクスやバリー・ボンズといった名選手がチャンピオンリングを手にすることなく引退していったことに言及し、「トラウトにはそうなってほしくない」と語る。エンゼルスとトラウトの契約はあと10年残っているが、今年8月に30歳の誕生日を迎えるトラウトが超一流の選手でいられる期間はそれほど長く残されていない。今季こそポストシーズンの大舞台でプレーするトラウトの姿を観ることはできるだろうか。

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