梶裕貴が英国紳士に! 映画「キングスマン」最新作の吹き替え版で「夢がまた一つかないます」

大ヒットシリーズ「キングスマン:ファースト・エージェント」で、熱い信念を持っているコンラッドの日本語吹き替え版を担当する梶裕貴が登場。実は劇場版の吹き替えの経験が少ないという梶の“熱い”思いとは!?

── 出演が決まった時のお気持ちを教えていただけますか?

「オーディションに合格したとご連絡いただいた時は、すごくうれしかったですね。というのも、日本語吹き替え版のオーディションは今まで何度も受けてはいるのですが、なかなか実際に役をつかむところまではいけなくて…。なので今回、『キングスマン』という長く愛されているシリーズの新作に参加できることが本当にうれしかったです」

── 梶さんが思う「キングスマン」シリーズの魅力とは?

「“英国紳士”と“スパイアクション”という一見かけ離れた組み合わせが、足し算ではなく掛け算になって大きな魅力になっている作品だと思います。過去2作品では、世代も価値観も違う新人のエグジー(タロン・エガートン)とベテランのハリー(コリン・ファース)がバディとなって巨悪に立ち向かいます。だからこそ、あらゆる世代が感情移入して見ることができるんです」

── 本作のシナリオを読んでいかがでしたか?

「過去2作品は、どちらかというとド派手な印象の強い作品でしたが、今回は、第1次世界大戦が一つのテーマ。史実をベースに膨らませて、見事なエンタメ作品として完成させています。シリアスで、ちょっとピリッとした面白さがありますね。『キングスマン』シリーズ初心者の方含め、この作品からでも十分楽しんでいただけるものになっていると思います」

── 吹き替えを担当しているコンラッドはどんな人物ですか?

「名家であるオックスフォード家の息子で、正義を信じて貫こうとする青年です。彼の父親のオックスフォード公(レイフ・ファインズ)は、筋が通っていて器の大きな人物。一方でコンラッド(ハリス・ディキンソン)はまだ若く未熟で、青くささの残る年齢ですから、いろいろと経験を積んできた父親とぶつかってしまうこともあるんです」

── ご自身の父子関係と重なるところは?

「それぞれの意地があって一筋縄ではいかない関係は、かなり似ていると思いますね。僕の父親は、それこそ厳しく、信念の強い人なんです。そんな父との印象深い思い出といえば…僕が成人して初めて一緒にお酒を飲んだ時のこと。どこか照れくさい気持ちもありましたが、父はきっと、父なりに喜んでくれていたんだろうなと。ただ、お互いに頑固なところは変わらないので…結局、何だかんだでぶつかりがち。楽しく穏やかに、とはなかなかいきません(笑)。まぁ、それが“梶親子っぽいな”とも思います」

── オックスフォード公の日本語吹き替え版を務めるのは小澤征悦さんですね。

「役者の大先輩なので、共演させていただけること自体が、とても光栄でありがたかったです。ただ、コロナウイルスの影響があり、全員で収録というわけにはいきませんでした。こういった状況でなければ現場でご一緒できたのかと思うと…悔しさはありますね」

── 今回、吹き替えですが、アニメーションのアフレコとの違いは?

「既に同じ役を演じられている役者さんがいらっしゃることですね。表情や息遣い一つとっても、自分のタイミングとはまた違ったところに、既に決まった表現が存在しています。なので、それを自分の中できちんとそしゃくすることが大事かなと。0あるいは1から演技を作っていくアニメーションのお芝居とは違う技術が必要です。僕が子どもの頃に拝見していた吹き替え版は、言語やセリフの文字数の違いを超越した面白さがあったように思います。僕もそんなふうに、日本語吹き替え版ならではの役作りをしていけたらなと思っています。自分の中にもコンラッドと同じように、“一度信じたら、どこまでも突っ走ってしまうような正義感”や頑固なところがあるので、そのエネルギーをハリス・ディキンソンさんのお芝居に乗せて伝えられていたらうれしいです」

── 梶さんは熱い役を演じられることが多い印象があります。

「どうでしょう? 僕の場合、どの役とも自分と何かしらの共通点を見つけて、そこから膨らませて役を作っていくわけですが…確かにその中でも、信念があって頑固で融通が利かないような役は、スッと入りやすいかもしれないです(笑)。そう考えると、いわゆる“熱い要素”が、僕の中で一番多くの割合を占めているとは言えるかもしれないですね」

── 劇場公開が待ち遠しいです。

「シリアスな人間ドラマはもちろん、ド迫力なアクション要素もたっぷりな作品です。僕も役者全員の芝居がそろった状態で吹き替え版を見るのが本当に楽しみ。映画館の迫力あるスクリーンや音響設備で堪能したいですね。劇場公開される作品での吹き替え経験が少ないので…映画館でこの作品を見ることができたら、声優を目指し始めた頃の夢が、また一つかないます。一緒に公開を楽しみにお待ちいただければ幸いです」

【MY『熱くさせる』MUSIC】

ジャンル問わずいろいろな音楽を聴きますが、最近聴いて熱くなるのは、アストル・ピアソラさんというバンドネオン奏者の方が作曲された「リベルタンゴ」。誰もが一度は耳にしたことがあるであろう有名な曲です。それを聴くとテンションが上がるというか…血湧き肉躍る感覚がするんです。というのも、僕が大好きな野田秀樹さんが手掛けられた舞台「半神」で、とても印象的に使われていた楽曲だから。

「半神」を初めて見たのは、演劇部に所属していた高校時代。生ではなく映像でしたが、初めてプロの演劇に触れたのがその作品だったので、いまだにすごく鮮烈に覚えていますね。舞台に立っているかのような高揚感があるので、自分の中での役者スイッチが入ります。タンゴのリズム自体も、胸を熱くさせますね。

【プロフィール】

梶裕貴(かじ ゆうき)
9月3日。東京都生まれ。おとめ座。O型。アニメ「進撃の巨人 The Final Season」(NHK総合)、「ワールドトリガー」(テレビ朝日系)、「七つの大罪 憤怒の審判」(テレビ東京系)、「バック・アロウ」(TOKYO MXほか)などに出演中。

【作品情報】

映画「キングスマン:ファースト・エージェント」
8月20日公開

表の顔は英国紳士、裏の顔は最強スパイ組織“キングスマン”が活躍する大人気シリーズ最新作。1914年を舞台に“キングスマン”誕生秘話を描く。世界大戦を操る敵に英国貴族のオックスフォード公(声:小澤)と息子・コンラッド(声:梶)が立ち向かい…!?

監督・脚本・製作/マシュー・ヴォーン
出演:レイフ・ファインズ(声:小澤征悦)、ハリス・ディキンソン(声:梶裕貴)ほか

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取材・文/仲川僚子 ヘア&メーク/中山芽美(e-mu) スタイリング/SUGI(FINEST)

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