尻に火がついた中日4年目・高松 50M5秒8の俊足で「竜の周東」になれるか

ブレークが期待される中日・高松

〝竜の周東〟が今季ついに覚醒しそうだ。中日・高松渡内野手(21)が23日の広島との練習試合(北谷)後、二軍に降格する石垣と入れ替わって一軍キャンプとなることが決定。一軍・北谷組に呼ばれ「9番・二塁」で先発出場したこの日こそ3打数無安打だったが、ここまでの対外試合で自慢の快足を生かして盗塁を決めたり、適時二塁打や三塁打を放つなど長打や好守まで披露。走攻守で存分にアピールしている。

高卒4年目の高松は176センチ、65キロと小柄ながら50メートル5秒8、一塁到達タイムは3秒53とプロ最速レベルを誇り、兵庫・滝川二からドラフト3位で入団。ところが、プロ通算成績は2019年に代走で2試合出場しただけで打席はなく、0盗塁と苦しんできた。

そんな中での大変貌ぶりに、チーム内では高松の意識改革が奏功しているとみている。「高松はポテンシャルは高いのに、これまでネガティブな性格と体力のなさでなかなか殻を破れないでいた。このオフは相当な覚悟を持って自主トレに励んできたようで、今年こそ結果を残せないと戦力外になってしまうという危機感さえ感じる。ここまでの二軍キャンプでは(ドラフト3位の)土田(龍空内野手)と一緒にノックを受けたりしていた。正直、守備の技術レベルは土田の方が上のところもあり、このままルーキーに負けれられないという高松のプライドもあるようだ」と指摘する。土田の入団によって高松の尻に火がついたようだ。

与田監督は「足だけでなく打撃でもアピールしているし、守備範囲が広くなって幅広く成長したと思う」と目を細める。このまま高松は開幕まで一軍にしがみつき、今年こそソフトバンク・周東のように足でもバットでも大ブレークを果たすつもりだ。

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