【新型コロナ】聖マリアンナ医大が飛沫対策マスク開発 医療従事者の感染リスク低減

聖マリアンナ医科大学が開発した飛沫対策マスク(同大提供)

 新型コロナウイルス感染症から医療従事者を守ろうと、聖マリアンナ医科大学(川崎市宮前区)が飛沫(ひまつ)対策マスク「Pro M(プロエム)」を開発した。内視鏡検査を受ける患者が装着することで医師の感染リスクを低減し、医療の安定供給に役立てる。

 開発したのは、同大消化器・肝臓内科の前畑忠輝教授(44)ら。胃カメラによる診察時に患者がむせたりすると、飛沫やウイルスを含んで空気中を浮遊する細かい粒子「エーロゾル」が発生するケースがあることから構想を練った。実際、内視鏡検査で飛沫を浴びた医師が感染した事例も報告されているという。

 マスクのフレームはプラスチックの代替品「LIMEX(ライメックス)」。ビニールを装着することで飛沫の飛散を防ぐ仕組みだ。製造はプラスチックの成形などを手掛けるロッキー化成(横浜市都筑区)が担当した。

 同大学病院ではすでに内視鏡検査で活用しており、総合病院のほか胃がん検診を行う診療所や歯科医院などでの使用を想定している。前畑教授は「本来はない方がいい器具だが、自らを守るために活用して」と呼び掛けている。問い合わせは、医療機器卸売業のソルブ電話045(476)3000。

© 株式会社神奈川新聞社