冷えを解消! 疲れにくい体をつくる東洋医学の温活とは?

「なんだか体調がよくないなぁ」と感じることはありませんか?忙しいママたちにとって、自分のことはつい後回しになってしまいがち。そんな不調の原因が「体の冷え」からくることもあるのです。気がつかないうちに冷える生活をしている可能性も。
今回は、鍼灸などの東洋医学だけでなく、アロマセラピーを取り入れた独自の治療法を行う山本先生に、温活のコツをお聞きしました。

山本綾乃(やまもとあやの)

OL時代に不定愁訴が続いたことをきっかけに、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師、アロマセラピストの免許を取得。
2008年神田神保町にて「はりきゅうマッサージうさぎ堂」を開院。
2015年育児との両立のため横浜市青葉台に移転、現在に至る。
現在は1児の母(6歳娘)。

著書:『手のひら湯たんぽで温め健康美人になる本』(主婦の友社)『やさしく心地よい お灸の手帖』(BABジャパン)ほか ほんやら堂とコラボによる、温め5本指ソックスや骨盤矯正クッションなど雑貨の監修多数

体の冷えを見極めるには?

まず、自分や子どもの体が冷えていないか確かめてみましょう。

手は「ポカポカ」している?

外出時は手の温かさを重視。室内にいるときは手足両方が温かいことが大切です。まずは、子どもの手がポカポカしている状態かチェックしてみましょう。

子どもは熱を生みやすいので、動くとすぐに熱くなりますが、実はその熱に持続性はなく、動かないとまた冷えてしまいます。寒いと、肩をすくめる姿勢をとっているので、肩が上がっていないか注意してみてください。

うっかり冷えることをしている?

普段生活している中でも、実は、冷える行動をとっているかもしれません。たとえば移動。園への送迎、お買い物、子どものお稽古、公園遊び。忙しいからつい電動自転車や車を使っていませんか?そのため、意外とママたちは運動不足に。

温めるには体を動かして、中から熱を生むことが大切。自転車は、動いているようで座っているので歩くほどの運動量ではありません。電動自転車ならなおさらです。また、冬は露出している顔や首の表面温度が下がり、その下の筋肉が固まりやすくなることから、目の疲れや頭痛につながることもあります。

生活の中で意識して温めよう

では、実際に1日の中でどんなことを意識しながら温めていけばいいのでしょうか?温めるポイントをシチュエーション別にご紹介します。

子どもと一緒に外遊び

冬は、マフラーやネックウォーマーなどで首を温めるだけで、風邪を引きにくくなります。眼精疲労や肩こり、頭痛など首から上の症状がある人は、耳あてか帽子を身につけて。ジャンパーを暑がる子どもには、ベストタイプの上着を着せてください。

おしっこが、普段より頻繁になったり白っぽかったり、または下痢になってきたら要注意。冷えている可能性があります。上着を着せたり、温かい場所に連れて行ったりと体を温めるように促しましょう。

また、体を温めるツボにカイロを貼ると効果的です。低温やけどにならないように、洋服やズボンの上に貼るのがポイントです。子どもに貼る場合は、短時間で外すようにしましょう。

ツボの場所については、あとの章でご紹介します。

料理で水を使うとき

野菜を洗ったり、お米を洗ったりするときは、お水を使いますよね。手が冷たい水にさらされるお料理の前は、まず、手を温めておいてください。たとえば、ゴム手袋をしてお湯で洗い物をしてから料理を始めるなど、工夫するとよいですね。

仕事でデスクワークが多いとき

最近はテレワークなどで、机に向かっている時間が長くなったというママも多いのではないでしょうか。じっとしていると、首・肩などの筋肉が血行不良を起こして、凝り固まってしまいます。

普段、よくとっている姿勢の負担になっているところに、コリが生まれて、ほぐれるタイミングを失っていると、痛みになります。コリをほぐすためには、ストレッチや体操を定期的に行って筋肉を動かしましょう。

たとえば、

・肩甲骨周りを回す

・首を回す

・寝っ転がってバンザイ(耳の横につくように)両足揃えて、膝を立てる など。

それぞれ20秒程度で十分です。1日に数回、テレワークなら1時間に1回と頻繁に行いましょう。

また、温めることで血行がよくなり、肩こりや腰痛が改善することがあります。少し時間が取れるようであれば、横になって腰や背中を温めてみてください。

お風呂

できれば毎日ゆっくり湯船に浸かるのがオススメです。冬の場合、浴室内がしっかり温まってから入ってください。

子どもと一緒の場合は、子どもが飽きないようにお風呂用のクレヨンやおもちゃなどで遊ばせておきます。ママは、できるだけ湯船にしっかり浸かって体の芯まで温めることが大切です。ご家庭の室温や、機械の温度設定で熱かったりぬるかったりするので、湯温は39〜41度と幅を持たせてみてください。入ったときにしっかり温まる感じのする温度にすることが大事です。

食事

食べ方

・朝、冷えたものを食べない。冬は特に冷蔵庫から出した温度のもの(生野菜、ヨーグルトなど)は避ける。

・パン食よりも、ご飯とお味噌汁。でき上がりの料理の温度が高く、胃を温めることができる。
アイスなど冷たいものは、体が温まっている午後に。食べるときはお部屋が暖かい状態で食べよう。

・カフェイン(コーヒーなど)も体を冷やすので朝は飲まない方がよい。夜も、自律神経が乱れやすくなるので、15時までがオススメ。

体をあたためる食べ物

・色の黒いもの(ごま、ひじき、お味噌、黒豆)反対に白いもの(豆腐、牛乳、ヨーグルト、南国で取れるフルーツ(バナナ、パイナップル)、夏野菜など)は体を冷やすので、熱を加えて食べるようにしよう。

・生姜・唐辛子は少量なら温めるが、大量に摂ると汗が出てかえって体を冷やす。
主に土の下で育つ野菜:たまねぎ、かぼちゃ、人参、にら、らっきょう、じゃがいも、里芋、大根、ごぼう

・冬に採れる果物:りんご、ゆず

・チョコレート。カカオには血管拡張作用がある。カカオを多く含むものをおやつに食べるのもオススメ。

衣服

部屋の中でもダウンベストを着ることで内臓が温まります。首がつくところは露出しないようにしましょう(首、手首、足首)。冬は靴下の2枚履きがベストです。タイツを履く時は、靴下の上に履きましょう。化繊のタイツだけでは、案外足先が温まらないことが多いです。先に5本指シルクまたは綿ソックスを履いて、汗を吸うようにすると足先が温まります。

眠るとき、首などは布団から出ているので冷えてしまいます。そこでネックウォーマーやレッグウォーマーを身につけて寝てみてください。シルクや綿など自然素材で、肌触りが柔らかいものがオススメです。起きたとき意外と温まっていますよ。

体を温めるツボは?

ママと子どもの体を温めるツボをご紹介します。

ママ

大椎(だいつい)

第七頸椎と第一胸椎の間です。頭を下にした時にぼこっと出る骨の下。

八膠穴(はちりょうけつ)

第1、2、3、4仙骨孔(くぼみ)のこと。全部で8個あります。

子ども

身柱(しんちゅう)

大椎から3つ下の骨の下。

山本先生の娘さんは6才。髪が長いので、冬のスイミングの後、ドライヤーでしっかり髪を乾かせない時も。そんな時、身柱にカイロを貼ってから外へ出ることにしているそうです。つないだ娘の手がポカポカしだしたら剥がして、自分の仙骨(八膠穴)に貼って過ごす。それが風邪を引かない工夫なんだそう。

温める生活習慣を身につけよう

肩こり、頭痛、腰痛、生理痛、睡眠不足、胃腸の不調など、冷えから来る血行不良はからだ全般の不調をまねきます。温める生活を心がけることでその不調が少しでも改善できるならありがたいですね。

日々の生活の中で手足が冷たいのを当たり前にしないことが大切です。温まるまで、着る、カイロを貼る、室温を上げる、などをいつも心がけて、温める生活習慣を身につけましょう。

山本先生から、ママたちへ一言

ママはついつい自分の体のことは後回しにしがちです。多少つらくても我慢して、日々の子育て、家事、仕事をこなします。ですが、寝るだけでは疲れが取れなくなるお年頃にもなってきます。生活習慣の細かな見直しで、体を冷やすことを日常から追い出しましょう。1日中血液循環をよく過ごすことで、疲れにくくなる上、肌ツヤもよくなるので、若返り効果も期待できますよ。

著者紹介

梅津恵(うめつめぐみ)

雑誌、WEBサイト(エンタメ・お出かけ・子ども・ライフスタイル・料理・美容)などの企画営業、編集、イベント運営、メディアプランナーを経てフリーに。
留学でイギリス・夫の転勤でシンガポール・タイへ移住。
現在は、出版社で編集、デジタルマーケティングに従事する傍ら執筆活動も行う。男の子のママ。
●資格:幼稚園教論二種、保育士、メディックファーストエイド(小児国際救急法)

その他の【働くママの時間割】は

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