メジャー帰りの田中将大だけ笑顔で理解 楽天ブセニッツの“ジョーク”の意味は?

楽天のアラン・ブセニッツ【写真:荒川祐史】

田中将ら豪華スターターと抑えの松井をつなぐ重責

来日3年目を迎えた楽天のライアン・ブセニッツ投手はチーム合流3日目の23日、沖縄・金武町ベースボールスタジアムのブルペンで23球のピッチングを行った。今季は田中将大、涌井秀章、岸孝之、則本昂大ら豪華な顔ぶれが並ぶ先発陣と、2年ぶりに抑えに復帰する松井裕樹をつなぐセットアッパーとして重責を担う。【宮脇広久】

この日は、ピッチング中の岸に頼まれて打席に立つ一幕も。「打席に立ったのは久しぶり。岸は凄くコントロールがいいから信頼していたけれど、球威自体が強くて怖かったよ」と首をすくめた。2017、18年にツインズでメジャーを経験しているが、DH制のあるア・リーグとあって打席には立たなかった。打撃は「1A時代の2013年頃に3球三振したのを覚えている程度」と苦笑した。

来日から2週間の隔離期間を経て、21日に1軍キャンプに合流。コロナ禍で新外国人選手の入国のメドが立たない中、石井一久GM兼監督はこの男の合流を心強く感じたに違いない。昨季は、森原康平投手の離脱を受けて7月下旬から10月中旬までは抑えを務め、トータルで46試合1勝4敗18セーブ13ホールド、防御率2.86の好成績を収めた。

「今季の先発陣はアンビリーバブルな顔ぶれだ。おそらく先発がいいピッチングをしまくるので、リリーバーは休養日が増えるだろうね」と笑わせつつ、「僕の実戦登坂の日程は決まっていないが、3月26日の公式戦開幕には合わせる」と言い切った。

チーム合流初日には、「今日は日曜だからランニングはやめておこう」と謎のアメリカン・ジョークを放った。改めてそれについて聞くと、「メジャーリーグは10連戦もざらにある過酷なリーグで、月曜にも試合があったりする。そういう時はトレーナーが『今日は日曜だから、走りたいやつだけ走れ。走りたくないやつはそれでもいい』とよく言うんだよ」と説明。メジャー経験豊富な田中将は理解して笑ってくれたという。「単に『サンキュー、ノー・ランニングデー!』と言って、ホシ(トレーニングを主導する星洋介コンディショニング部マネジャー)をイジりたかっただけなんだよ」と付け加えた。

明るい性格のブセニッツが合流した途端、投手陣の間には和気あいあいとしたムードが増したように見える。今季は投球だけでなく、アメリカン・ジョークでもファンを楽しませてほしい。そう頼むと「期待しておいてくれ」とひげ面をほころばせた。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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