【NBA】八村は仕掛けをもっと果敢に 渡辺は頭越しのダンク決められたが…

渡辺(左)はエドワーズに頭越しのダンクを決められた(ロイター=USA TODAY)

【KJ松井のCatch&Shoot(55)】米プロバスケットボールNBAのワシントン・ウィザーズは3シーズンぶりに5連勝するなど、上り調子。八村塁(23)もスコット・ブルックス監督(55)から守備での貢献を評価されている。ただ、本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(35)は八村の物足りなさを指摘。さらに、最下位のミネソタ・ティンバーウルブズでの監督解任劇も「人ごとではない」という。

ウィザーズはレイカーズやトレイルブレイザーズといった上位チームも破って5連勝。ブルックス監督は八村選手について、いろいろなポジションの選手につける守備での貢献度を高く評価しています。一方で、ティンバーウルブズがライアン・ソーンダーズ監督(34)を解任したことは、ウィザーズにとって人ごとではありません。

この時点でティンバーウルブズは7勝24敗でしたが、ウィザーズも5連勝前は6勝17敗と、監督交代が取り沙汰されてもおかしくない成績です。監督が代われば、チームの方針も変わります。ウィザーズはブラッドリー・ビール(27)とラッセル・ウエストブルック(32)を中心にクリエートするスタイルは変わらないでしょうが、あとの3人をどうするか。

八村選手は今シーズン、スリーポイント成功が1試合平均で1本以下です。あまりに入らないと、ナゲッツ戦でスリーポイントを9本成功させたダービス・ベルターンス(28)を使った方がいいと判断されてしまいます。最近の得点は誰かがチャンスをつくったもの。極端な言い方をすれば、八村選手じゃなくても、誰でも決められるイージーなものが多い。

昨シーズン終盤にアグレッシブにプレーしていた時のように、自分でチャンスをつくることにチャレンジしてほしいですね。

また、トロント・ラプターズの渡辺雄太選手(26)は19日(日本時間20日)のティンバーウルブズ戦でドラフト1位のアンソニー・エドワーズ(19)に頭越しのダンクを決められました。

このシーンは「ポスタライズ」(ポスターになるような素晴らしいプレー)として大きく取り上げられました。とはいえ、味方が完全に抜かれたところを果敢にブロックしにいったのは、まだレギュラー契約を勝ち取っていない立場でのがむしゃらさとして評価できます。この一回でひるむことなく、ディフェンスを頑張ってくれればと思います。

☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。

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