大ヒットの予感!? 三菱 新型アウトランダーの内装が高級車並に大幅レベルアップ

2021年2月17日(水)、米国で世界初公開された三菱の新型アウトランダー。外装デザインの大きな変革が話題を呼んでいるが、それ以上に注目したいのが内装。世界のライバルが急増する中、新型は大きく質感を向上させた。これは大ヒットの予感すらする変革ぶりだ。今回は、フルモデルチェンジで生まれ変わった新型アウトランダーのインテリアについて特集する。

三菱 新型アウトランダー 2022年モデル[2021年2月17日発表/3代目(写真は北米仕様)] [photo:三菱自動車工業]

フルモデルチェンジで室内の質感向上を図る新型アウトランダー

3列シートレイアウトは従来型のアウトランダーから継承された

2021年2月17日(水)、米国で世界初公開された三菱の新型アウトランダーは、フルモデルチェンジを機に大きくイメージを変えた。

全てが刷新された三菱 新型アウトランダー(2022年モデル・北米仕様)

3代目となる新型では、外装に新世代の三菱デザインを初採用したほか新開発プラットフォームを採用し、走行性能も大幅に向上させた。そして今回特に注目したいのは内装だ。

3列シート・7人乗りという基本性能は従来型(ガソリンモデル)から継承。加えて、世界的にSUVのライバル車が急激に増えている現状に対し、三菱が新型アウトランダーで打った手は「室内の質感向上」だった。

高級素材を使用し掛け心地も向上した新開発シート

上級仕様には、高級セダンなどに採用されるセミアニリン本革シートを使用する

新型アウトランダーのインテリアには、ブラックとライトグレーの本革シート仕様をオプションで設定。革は高級セダンなどに採用されるセミアニリン仕上げの上質な素材を使用する。

フロントシートは2層ウレタン構造とし、掛け心地の良さと疲れにくさを実現させるものとした。

セカンドシートの中央部は写真のように前倒ししてアームレストにもなる。荷室に長い荷物を積んだ際にも有効だ

セカンドシートは前後スライドやリクライニング機構を備えたうえ、4:2:4の分割可倒式。左右独立の格納式サードシートとの組み合わせで、荷室の拡大など多彩なアレンジを可能とした。

新開発プラットフォーム採用によるパッケージングの見直しが実施された結果、フロント・セカンドシートの足元空間をさらに確保。ボディサイズの左右幅が増えたことと相まって、新型アウトランダーの室内空間は大きく拡がった。

サードシート(3列目席)はあくまでも補助席の位置付けだが、あるとないとでは大違いだ

新型アウトランダー最大の変革点はインパネ周りだ

新型アウトランダーの室内で最も質感が向上したのはインパネ周りだろう

そして、フルモデルチェンジした3代目三菱 アウトランダーで、最も変革を感じるのはインパネ(ダッシュボード)回りだろう。

水平基調のワイドなデザインはとてもシンプル。しかし見るからに上質な雰囲気がある。

以前、三菱の開発者に伺ったところでは、現行型(2代目)のアウトランダーではインテリア、特にインパネ周りの質感に対し海外市場から不満の声があがっていたという。特に欧州市場で現行型アウトランダーは、高価なPHEV(プラグインハイブリッド)モデルが支持を集めている。確かに200万円台から買えるガソリンモデルと、400万円台(海外ではもっと高価だ)のPHEVでは要求レベルも変わってくるだろう。

年次改良の度に細かな改善は行われていたものの、今回のフルモデルチェンジでようやく抜本的な改革がかない、ガソリンモデルでもその恩恵を受けることになった。

また、高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」や、全画面フルカラーの12.3インチ液晶メーター「フルデジタルドライバーディスプレイ」、10.8インチヘッドアップディスプレイなど、世界最先端の仕様もしっかりと盛り込まれている。

アライアンスの効果を最大限生かしつつ独自性を尊重したモデルチェンジ

三菱 新型アウトランダー(2022年モデル・北米仕様), こちらは「日産 ローグ」2021年モデル(北米向けの新型「エクストレイル」)
三菱 新型アウトランダー(2022年モデル・北米仕様), こちらは「日産 ローグ」2021年モデル(北米向けの新型「エクストレイル」)

実は今回、新型アウトランダーの開発は、ルノー日産三菱アライアンスのもと日産 新型エクストレイル(4代目)と同時期に開発が行われた。共同設計された最新CMF-Cプラットフォーム(車両の土台)やパワートレイン、ADAS(先進運転支援機能)等のメカニズムを共有している。

確かに2モデルの内装写真をじっくり見比べてみると、共通部品と思われるものが散見される。しかし外装も含め、デザイン自体はそれぞれ全く独自のものとされている。

例えばバッジやグリルを小変更しただけの兄弟車なら、きっと開発コストはさらに圧縮出来たかもしれない。しかし高価なSUVを購入するユーザーの満足はとても得られなかったはずだ。最新・最先端の機能を盛り込み、三菱と日産の独自性も尊重するという、新時代の兄弟車と言えるだろう。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:三菱自動車工業・NISSAN]

セカンドシートまで畳むと、車中泊も可能なくらいの広大な荷室空間が拡がる
サードシートまで展開した際の荷室空間はミニマム, セカンドシートの中央部は独立して前倒可能だ
サードシートまで展開した際の荷室空間はミニマム, セカンドシートの中央部は独立して前倒可能だ

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