吉田羊、稲垣吾郎らがリアルと虚構の入り混じる異色ドラマ「きれいのくに」に出演

吉田羊、蓮佛美沙子、稲垣吾郎らが、NHK総合で4月12日スタートのよるドラ「きれいのくに」(月曜午後10:00)に出演する。

気鋭のクリエーターが作り出す攻めたドラマに挑戦してきた「よるドラ」枠が、4月に土曜夜から月曜夜に放送枠を移行。その第1作となる本作では、新進気鋭の劇作家・加藤拓也氏とNHKが初めてタッグを組み、リアルと虚構が入り交じる全く新しいドラマを届ける。「自分の口がゆるせない」「輪郭をほんの少し変えたい」など、誰もが抱える容姿へのコンプレックスを抱えた高校生たちが暮らす、ほとんどの大人が“同じ顔”をした不条理な国を舞台に、ねっとりとした恋愛劇が繰り広げられる“青春ダークファンタジー”だ。

美容師の恵理(吉田)と会計士の宏之(平原テツ)は40代の再婚同士の夫婦。2人で旅行に行ったり食事を楽しんだり、優雅な生活を満喫していた。気になることといえば、わずかな容姿の衰えと、最近セックスレスなこと、そして子どもを持つことを諦めたことくらいだ。結婚生活に不満は全くないはずだった…。しかし、謎の女(蓮佛)が宏之の前に現れ、夫婦は不可解で信じがたい出来事に遭遇する。

一方、同じ高校に通う誠也(青木柚)、凜(見上愛)、れいら(岡本夏美)、貴志(山脇辰哉)、中山(秋元龍太朗)は幼なじみ。放課後にカラオケに行ったり、いつもつるんで過ごすほど仲がいいが、最近は異性や容姿を意識して、時々ちょっとぎこちない。ピアスの穴を開けたり、アルバイトをしたり、“パパ活”をしたりと、ごく普通の高校生だ。唯一違うのは、彼らの周囲の大人のほとんどが“同じ顔”をしている国に暮らしているということ。街を歩く大人はみんな同じ男(稲垣吾郎)と女(加藤ローサ)の顔をしている――そんな世界で、恋をする5人。ある日、凜と恵理は映画館で出会う。

「部活、好きじゃなきゃダメですか?」や「俺のスカート、どこ行った?」(ともに日本テレビ系)などの脚本を手掛けてきた加藤氏は「こちら実はもともと別の物語で企画が進んでいたのですが、企画の始まりから数えると約2年ほどが経ち、なんだか別の物語な気分だねとなり、一新して立ち上がった物語でして、一新する際に提案した幾つかのプロットの中でダメだろうとは思いながら書いていた変な話が採用されまして、なんと本当にここまで来てしまいました。当時、お~まじかと思った記憶があります」と本作執筆の過程を振り返る。

そして「大きな世界のことなんですけれども個人の視界に断片的にしか映らない小さなことが書けたらいいなと思いながら、書いたり撮ったりさせてもらいました。変な話を面白がって咀嚼(そしゃく)してくれる懐の深いプロデューサーや監督たち、そして俳優たちに、これをやらせてくれるのか、やってくれるのかとお付き合いに感謝しつつ、あんまり変だと言い過ぎてもなんなのですが、変ながら『好きな人の好きな顔になりたい』を物語の中心に添えまして、変ながら、私とあなたの、分かるような分からないような気分が詰まってるんじゃないかと思いますので、皆さまにも最後までどうかお付き合いいただけたらと思っております。最後まで、ちゃんと見ないと分からないぞというつもりで書きましたので!」と説明し、視聴を呼びかけている。

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