巨人・阿部二軍がキャンプ打ち上げ「『もっと不安になってくれ』と言った」

キャンプを打ち上げた(左から)古城二軍野手総合コーチ、阿部二軍監督、右は金杞泰二軍ヘッドコーチ(球団提供)

巨人の阿部慎之助二軍監督(41)が24日、宮崎キャンプを打ち上げた。

選手を代表して香月一也内野手(24)が一本締め。指導者として2度目の春季キャンプを終えた青年指揮官は「野手でこれだけの練習量で、ケガ人が1人も出なかったのは一番の収穫」と笑顔で振り返った。

阿部二軍監督は今キャンプで「打撃デー」「守備デー」をつくって練習にメリハリを持たせたほか、夜間練習を敢行。連日、これでもかとバットを振らせた。

キャンプを完走した選手たちに対しても手綱は緩めない。阿部二軍監督は「選手の前では『もっと不安になってくれ』と言った。やらなければいけない立場の人間が不安になっていない。不安に駆られないといけない。そのためには向こう(東京に)帰ってからも練習は長いよ」と継続することの大切さを強調した。

チーム最年長野手・亀井は「野球選手は常に不安」と話す。その言葉を伝え聞いた阿部二軍監督は「そうであってほしいよね。不安に思っていない鈍感な方々が多いから…やっぱり。若い子は特に」とプロ17年目のベテランの姿勢を理想とした。

危機感を持って臨まなければ成長はない。そのためヤングGには常に競争を意識させる。この日の二軍帰京に際しては、2年目・伊藤海斗外野手(19)に三軍行きを命じ、宮崎に残した。阿部二軍監督は「支配下(選手)だって安心してほしくない。『競争の中で実力主義だ』『差別はしないけど区別はする』と言った。競争して二軍の底上げができれば、チーム全体の底上げになる」と力強く言う。チームのため、個々の選手のため、厳しい姿勢は今後も貫いていく。

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