【新型コロナ】人口比で全国最少、神奈川の病床数「増やすべき」 黒岩知事の答えは

黒岩知事(資料写真)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療体制逼迫(ひっぱく)で課題となった神奈川県内の病床確保を巡り、24日の県議会本会議で、病床数が人口比で全国最少の現状について議論が交わされた。黒岩祐治知事は「今後も医療ニーズは大幅に増加すると推計され、計画的な病床の確保は喫緊の課題」としつつ、望ましい体制の整備は「地域ごとに市町村や医療関係者の意見をうかがう」と述べるにとどめた。

 一般質問に立った共産党の君嶋千佳子氏は「脆弱(ぜいじゃく)な体制とコロナが重なり、入院者の選別や自宅療養者の自己管理を余儀なくされ、多くの県民が不安な状態に置かれている」と指摘。病床の絶対数を増やす必要性を訴えた。

 これに対し、知事は「病床確保は絶対数を増やすだけでなく、効率的な病床の運用も大変重要だ」と答弁。既存病床の利用率向上や平均在院日数の短縮のほか、「未病」対策による医療需要の抑制に取り組むと説明した。医療資源の有効活用のため、人材育成を推進する考えも示した。

 厚生労働省の調査によると、県内の人口10万人当たりの病院病床数は804.7床(2019年10月現在)。全国平均は1212.1床で、県内は都道府県で最も少なかった。感染症病床も全国平均は1.5床に対し、県内は0.8床で最少だった。

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