西武・金子の「潜在能力はこの程度ではない」 V奪回へ求められる“イメチェン”

17日の紅白戦で2ランを放った西武・金子侑司【写真:荒川祐史】

埋められなかった秋山翔吾の穴…出塁率アップが山賊打線を生かす

2021年シーズン開幕に向け、各球団では練習試合が行われ、3月2日からはオープン戦が始まる。そこで、Full-Count編集部では「期待のイチ押し選手」を各球団1人ずつピックアップ。昨季リーグ3連覇を逃し3位に終わった西武からは、V奪回の鍵を握る存在として金子侑司外野手を挙げたい。

なぜ西武は昨季、リーグ3連覇を逃したのか――。チーム防御率がリーグワーストだったのは、連覇した2018、19年も同様。とすると、V逸の要因は“山賊打線”の不振か。突き詰めて言えば、不動の1番打者だった秋山翔吾外野手がメジャーへ移籍した穴を埋められなかったことに尽きる。稀代のチャンスメーカーを失ったことで、ポイントゲッターの山川穂高内野手、森友哉捕手もリズムを失い、不振に陥った。

秋山は一昨年、1番を務めた106試合で打率.315、出塁率.397を誇っていた。昨季は、チーム最多の39試合で1番に入った金子が打率.243、出塁率.318だった。合計7人が1番を務めたが、秋山には遠く及ばなかった。

俊足のスイッチヒッターの金子は、長年“ポスト秋山”の大本命と目されてきた。今季は、駒大のリードオフマンだったドラフト4位ルーキーの若林楽人外野手に期待する声もあるが、現時点で1番の筆頭候補が金子であることに変わりはない。金子には既に盗塁王2度の実績があり、今年4月に31歳となる年齢的にも「成長株」と呼ぶべき立場ではない。それでもチーム内には「あいつの潜在能力はこの程度ではない。ひと皮むけてくれれば……」と期待する声が強い。一にも二にも、出塁率アップが求められる。

昨季後半には、グリップエンドいっぱいに持っていたバットを短く持ち、ボテボテの当たりを内野安打にした場面も。その姿に、辻発彦監督も「最高じゃないか! 格好ではない。塁に出ることが自分の役割と考えて変わってくれれば」と喜んだ。イケメン、スマートなプレースタイルで若い女性を中心に高い人気を誇る金子に、何らかの“イメチェン”が起こるか。そこにチームのV奪回の成否がかかっていると言っても過言ではない。

西武の練習試合・オープン戦の日程

2月
25日 オリックス戦(12時30分・SOKKENスタジアム)
27日 ロッテ戦(13時・春野)
28日 ロッテ戦(12時・春野)

3月
3日 日本ハム戦(18時・札幌ドーム)
4日 日本ハム戦(18時・札幌ドーム)
6日 ロッテ戦(13時・ZOZOマリン)
7日 ロッテ戦(13時・ZOZOマリン)
9日 中日戦(13時・バンテリンドーム)
10日 中日戦(13時・バンテリンドーム)
12日 阪神戦(13時・甲子園)
13日 阪神戦(13時・甲子園)
14日 オリックス戦(14時・京セラドーム)
16日 広島戦(13時・メットライフドーム)
17日 阪神戦(13時・メットライフドーム)
19日 DeNA戦(13時・メットライフドーム)
20日 ヤクルト戦(13時・メットライフドーム)
21日 ヤクルト戦(13時・メットライフドーム)

開幕戦 3月26日 オリックス戦(18時・メットライフドーム)
(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2