コロナ禍で就職活動を行う大学生の間で、副業できる企業が注目を集めている。
新型コロナウイルスの流行に伴い、働き方をテレワークに移行した企業は多い。中には完全テレワークに移行し、オフィスをなくした企業もある。
場所を問わずに業務を行うことができるとして観光地やリゾート地でテレワークを活用し、働きながら休暇を取る「ワーケーション」が話題になるなど、他のことをしながら仕事をする働き方もできるようになった。
こうした中、正社員として働きながら副業を行いたいと感じている人の割合が増え、同時に副業を解禁する企業も増加している。
全日本空輸株式会社はこれまで家庭教師などの個人事業主について副業を認めていたが、今後は副業範囲を広げて、他社とも雇用契約を結べるようになった。副業を解禁する企業には業績悪化の影響などで経費を削減するという意味合いもある。
コロナ禍で生活様式や働き方が変わったことで、就職活動を行う大学生の間でも意識の変化が表れている。
ある大学3年生の男性は「就職した先輩の中には、コロナの影響で解雇された人がいる。また、同じバイト先にいる社会人の先輩は、昼間は本業の仕事で在宅勤務を行い、夜はバイトをしている。景気は良くないので、収入面も心配だから、副業ができる企業にも魅力を感じている」と話す。
実際に在宅勤務に伴う通勤時間の削減などで生まれた時間を有効活用したいと考えている人が増えており、サイト制作などテレワークで完結する業務が副業として人気を集めているようだ。また、若い世代ではこうした副業を通してスキルアップや転職につなげたいと考えている人も多いという。
今後は副業できる企業が就活生の人気を集めそうだ。