30万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターのアドバイザーが、住まいの悩みに答えるシリーズ。最近よくいただくご相談内容をご紹介しながら、お悩み解決につながるポイントを解説します。
現在、会社の独身寮に住んでいる20代の男性です。
家賃は光熱費込みで1万5000円とかなり安く抑えられていますが、7年後には退去する必要があります。月々の負担が増えても憧れのエリアに住んでみたいという思いや、資産性を考えてマンション購入を検討したいという気持ちもあります。
20代シングル男性がマンションを買うというのは、よくあることなのでしょうか。買うとしたら、どんな物件がいいのでしょうか。タイミングは今なのか、もしくは寮の退去期限を迎える7年後なのか。いつ頃がベストでしょうか。
【相談者プロフィール】
・本人:20代会社員(男性)
・家族構成:独身
・現在の居住形態:会社の独身寮
・世帯年収:500万円
スーモカウンターアドバイザー: 今よりも広い部屋で暮らしたい、生活の質を上げたいなどの思いから、未婚・非婚でマンションを買いたいと考える人は増えているようですね。今回は、単身者のマンション購入事情、購入のベストタイミングなどについてお答えしていきましょう。
単身者のマンション購入相談は増加傾向
単身者で新築マンション購入を検討する人は、男女ともにここ数年増加傾向にあります。実際にスーモカウンターでの相談件数も増えています。
住み替えを希望する動機はさまざまです。例えば、今の賃貸住宅の築年数が古い(寒い、隣の声や物音が気になる)、社員寮でプライバシーが保ちにくい(すぐに会社の人と会う、外部の人を呼べない)などの不満の声も。加えて最近では、リモートワークでこれまで以上に広さや部屋数が必要になったというケースもあります。
こうした問題を住み替えでクリアしようとすると、賃貸・購入いずれにしても住居費が跳ね上がってしまいます。であれば、家賃の掛け捨てではなく、自分のものになる分譲マンションを、と考えて購入に踏みきる人も多いようです。
高性能な分譲マンションに住みたい「21世紀育ち」
単身者で分譲マンションを検討する人が増えているのには、もう一つ理由があるようです。前述のような賃貸住宅や寮への不満は、今回の相談者さんのような10代・20代の人が特に強く感じていることがわかりました。
上のデータは、賃貸住宅を契約した人に、新居(今の賃貸住宅)と住んでいた実家の住宅性能について満足度を聞いたもの。遮音性、断熱性/省エネ性、耐震性、すべての項目において「実家」の満足度のほうが高いという結果になっています。
さらに実家の建築年を2000年以前・2001年以降に分けて比較すると、2001年以降に建築された実家に住んでいた人ほど、実家の住宅性能への満足度は高く、賃貸住宅への満足度は低いということが顕著に。
つまり、21世紀に建てた実家の住み心地の良さを体感して育った10代・20代は、賃貸住宅の住宅性能に満足できないのです。そこへリモートワークが重なると、部屋が狭いほどそのストレスを受けやすいので、ますます不満が爆発するのでしょう。
このため、より広く、遮音性にも優れ、最新設備を備えた分譲マンションに住み、生活の質を向上させたいと考える人が増えるのは自然な流れといえそうです。
早く購入すれば、質の高い暮らしが早く手に入る
買いどきについてですが、お金の損得だけでなく、ご自身が叶えたい暮らしも含めたトータルなメリット・デメリットで考えることをおすすめします。
ご相談者さんの場合、月々1万5000円の社員寮を7年後までに退去が決まっているとなると、家賃が安い今のうちに頭金を貯めるという方法もあるでしょう。
それも一つですが、そうすると今後7年間は今の住み心地のままということになります。また、頭金が増えたとしても、住宅ローンの金利やマンションの相場が上がってしまうかもしれません。自分の健康状態も7年後のことはわかりません。
では、今購入すれば、今後7年間の暮らしの質は向上するという視点で考えてみてはいかがでしょうか。
単身者向けの小さめ物件でも優遇措置が
住宅ローンを組んでマンションを購入すると、税金の一部が戻ってくる「住宅ローン減税」という制度があります。年末の住宅ローン残高の1%を所得税や住民税から控除するものですが、2021年度の税制改正により条件が緩和されました。
分譲マンションなら、2021年11月までに契約、・2022年12月末までに入居すると、控除期間が10年間から13年間に延長される特例が受けられます。
さらに、対象となる物件の専有面積は、これまでの50㎡以上から、40㎡以上に緩和されることになりました(壁の内側を計測した登記簿上の専有面積)。これにより、単身者向けの間取りも買いやすくなるといえそうです。
物件に出会うコツは視野を広げること
単身でマンションを購入するとき、資産性、将来の売り貸しのしやすさも気になるところだと思います。
どんな物件がいいとは一概にいえませんが、「この条件に当てはまらないとダメ」と思い込まず、例えばエリアの選択肢など条件を広げてみたり、タワーマンションの下層階にも目を向けてみたりと、視野を広げることが大事です。
思い込みにとらわれず、たくさんの情報を集めて、いい物件と出会いましょう。
スーモカウンターなら、同様のご要望やご相談に対して、多くの人がどんな選択をしたのか、というアドバイスもできるので、お気軽にご相談ください。
スーモカウンターは全国170店舗以上(2021年1月末時点)。アクセスのよい立地にあるので、よく利用する駅や自宅の最寄りの店舗をご利用ください。