豪議会、テクノロジー大手に報道機関への支払い求める法案を可決

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オーストラリア議会は24日、グーグルやフェイスブックなどにニュースコンテンツ提供元への料金支払いを求める法案を可決した。こうした法律が制定されるのは世界で初めて。

この法案に、アメリカのテクノロジー大手は激しく反発していた。フェイスブックは先週、オーストラリアでのニュースコンテンツの提供を停止して抗議していたが、政府との交渉の末、23日に再開を発表したばかりだ。

協議の結果、フェイスブックやグーグルがこの法案の適用外になる修正案が加わった。

しかし両社とも、この法律によらない方法でオーストラリアの報道機関と契約を結び、一定の料金を支払う方針を示している。こうした契約は、テクノロジー大手側からの譲歩とみられている。

オーストラリアがこの法案を可決したことにより、他国でもネット上のプラットフォームに、ニュースコンテンツに対する支払いを課す動きが出てくる見込み。

ただ、フェイスブックやグーグルは、この法律がインターネットの働きを「根本的に」誤解していると指摘していた。

新法では、テクノロジー大手と報道機関が支払い契約について交渉することを奨励。交渉が失敗に終わった場合、同法によって強制的に仲裁を受ける可能性がある。

オーストラリア政府は、この法律によって報道各社が力を持つことで、「より公平な」交渉の場が設けられるとしている。

市場監督機関のオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、メディアはグーグルやフェイスブックといった独占的なテクノロジー企業に依存しているため、これまでほとんど交渉力を持たなかったと説明した。

この法律の要は、双方の交渉が物別れに終わった場合、独立した仲裁役が契約の最終的な価値を決められる点にある。アナリストらは、これがニュース企業に有利に働くとみている。

また法律では、プラットフォームのアルゴリズムを変更する場合にはメディアに通知することが義務付けられた。

一方で修正案では、政府はこの法律を適用する前に、プラットフォーム側がこれまでにジャーナリズムに対して行ってきた貢献を考慮するよう求めている。

これによりフェイスブックやグーグルは、この法律による仲裁から完全に逃がれることもできる。

政府はまた、法律を適用する1カ月前にプラットフォーム側に通知することになった。

グーグルやフェイスブックの反応は?

テクノロジー大手は当初、この法律に反対していた。

両社は、プラットフォームから各ニュースサイトへユーザーを誘導することでメディアを助けており、人々のニュース探しを手伝っているだけだと主張していた。

また、オーストラリア政府に法案を修正するようはたらきかける一方で、同国のメディア各社との交渉を続けた。

グーグルは先に、同国から検索サービスを撤退すると警告していたが、ナイン・エンターテインメントやセヴン・ウエスト・メディアといった国内大手メディアや、ルーパート・マードック氏経営のニューズ・コープなどと支払い契約を結んだ。

フェイスブックも、ニュースコンテンツ提供を再開すると発表したが、まだ実現していない。

同社はこれまでにセヴン・ウエスト・メディアと契約を結んでおり、他者とも交渉を行っているという。

今後どうなる?

フェイスブックのニュースコンテンツ停止措置は、国内外で厳しい批判を呼んだ。

しかしこの強硬措置は、同様の法制定を見込んでいるイギリスやカナダ、欧州連合(EU)への警告と受け取られている。

インターネット上でニュースを読む人が増える中、テクノロジー大手はプラットフォーム上のニュースコンテンツに料金を支払うべきだとの声が国際的に高まっている。

また、プラットフォームが持つ影響力の大きさから、偽情報や虐待といった問題に対処すべきなどとする指摘が相次いでいる。

(英語記事 Australia passes law aimed at Google and Facebook