「辞めます」と言えない山田真貴子広報官 ウラに菅首相の任命責任

質問に答える山田真貴子氏

菅義偉首相(72)の長男正剛氏による総務省幹部への接待疑惑で25日、山田真貴子内閣広報官が衆院予算員会に参考人として出席した。質疑で唐突に辞表をめぐるやり取りが起きたのはどうしてだったのか。

山田氏は正剛氏ら東北新社側から1人当たり約7万4000円もの接待を受けていたことが判明している。

山田氏が接待を受けたのは総務省在職中だが、現在は同省を離れて内閣広報官という立場。国家公務員倫理規程の適用外だということで、山田氏は自主的に給与の10分の6を返納。約7万4000円の会食費も返金するという。

事実上、処分はないといってよく、職務も継続する。立憲民主党の後藤祐一衆院議員が「本当は辞めたかったんじゃないですか?」と聞くと、山田氏は「任命していただいている立場。僭越ながら辞表を渡そうとした事実はない」と答えた。

この質問の背景を野党関係者が解説する。「実は『山田氏が辞めると話しているそうだ』という情報が駆け回ったのです。それで後藤氏の質問になっています。山田氏が辞めると任命責任を問われることになるので菅首相としては辞めさせないという判断になったのでしょう」

野党は山田氏追及のさらなる材料を集めているという。このまま内閣広報官を続けることはできるのか。

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