サッカー元日本代表 巻誠一郎が考える、アスリートが社会貢献活動を行う理由

熊本地震が発生した2016年、当時現役Jリーガーでありながら、募金活動や避難所への訪問など多くの復興支援活動を行い、現在も復興支援活動、さらに環境問題への取り組みも行っている巻誠一郎氏。

熊本県にて、海洋ゴミを回収する『Seabin』という機械の普及活動を行う株式会社SUSTAINABLE JAPANの代表取締役社長の東濵孝明氏。「熊本県」「社会貢献活動」という共通ワードを持つ、両者のオンライン対談企画が実現しました。

Sports for Social では、東濵孝明氏と巻誠一郎氏の対談企画を3回に渡ってお送りしています。
ぜひHPより、ご覧ください!
HP:https://sports-for-social.com/

今回は、『熊本県の現在と未来』についてのお話をピックアップしました!

全文はこちらからhttps://sports-for-social.com/?p=57

熊本県の現在と未来

ーー東濱)熊本県の現在と未来についてお話できればと思います。

ーー巻)水というキーワードで共通することは、球磨川が氾濫して周辺地域の環境が大きく変わってしまったということ。

今、ダムの話が出ていますが、ダムで一度水を貯めてしまうとその水は死んでしまうのではないかという問題もたくさんありますよね。そうなると、今までのような豊かな球磨川がなくなってしまうんじゃないかと。

環境資源がなくなって、町や村、市を再生することが難しくなってしまうんじゃないかという話を聞いて、周辺地域の方々は危惧されているんです。
ラフティング協会の方々と支援活動を継続して行っていました。特にラフティングは、ダムを作ることで水が死んでしまうので続けられなくなってしまうんじゃないかと話されていました。

上手く水を殺さずに地域と共に歩んでいけるようなものができれば良いんじゃないかなと思いますね。
人間が生活する上で水って切り離せないものですよね。

ーー東濱)そうですね。熊本市でいうと地下水ですね。江津湖の地下水はかなりの量が出ているのですが、昔に比べたらだいぶ減ったと言われているんですね。
江津湖に沈殿しているヘドロの問題があり、ヘドロを除去しなければいけない。ただ、なかなか方法が見つからないというのが現状ですね。

ーー巻)そうなんですね。あとは家畜の糞尿もすごく問題になっていますよね。
リン酸が地下に染み込んでしまって水が汚染されてしまっているという問題もありますね。

熊本は地下水があり、特に熊本市辺りは環境的にも資源的にも豊かな市だと思います。
これを適切に守っていかなければいけないかなと思います。

ーー東濱)僕が子供の頃はよく飛び込んで遊んでいたりしたんですけど、今は一部分ではきれいなところもありますが、濁ってきていて、中々子供たちが遊べるような場所がなくなってきています。

ーー巻)そうですね。山の奥地まで行かないと川に入って遊んだりできないですよね。

ーー東濱)昔遊べた場所が遊べなくなっているのは、悲しいですよね。

ーー巻)残念な部分はありますが、これを残念だなと嘆くだけではなくて、誰かが何かの取り組みをスタートさせないとこれからどんどん環境が汚染されていく一方ですよね。そういった中で、一歩踏み出せて頂いているのかなと思いますね。

ーー東濱)ありがとうございます。会社を設立して、1年8ヶ月ぐらいになるのですが、まだ実際に導入まで至っていない。水俣市、宇城市、長崎、江津湖で4回実証実験をしましたが、まだ本格的に導入はできていないので、導入を一つの目標として頑張って行きたいです。

ーー巻)海のゴミの種類というと、日本であれば海洋プラスチックなどがメインなのですか?

ーー東濱)そうですね。多いです。7~8割ぐらいだと思います。

ーー巻)世界的に見ると、どうなんでしょうか?

ーー東濱)プラスチックが多いですね。

ーー巻)プラスチックゴミ以外でも、今回災害によって様々な流木や生活ゴミがたくさん流れ込んでしまったと思うんですが、そういったものも一緒に回収していただけたりするんですか?

ーー東濱)弊社が扱っているシービンというのは、直径60cmまでしか入らないです。

ーー巻)60cmであれば、ある程度のものは入りますよね。

ーー東濱)そうですね。今回水害の方で不知火の方に行ったのですが、家電なども流れていましたね。
ただ、それはちょっと取れないなと。国交相が、クレーンで回収していましたけれども、小さいのは海に残ってしまうんですね。

ーー巻)岸に流れる分にはまだ回収できますけど、海の中で滞留しているものがたくさんあるということですよね。

ーー東濱)そうですね。そういったものが流されていき、2度と取れなくなってしまう可能性が大きい。
それがどんどん小さくなり、マイクロプラスチックになると回収が困難になってしまう。

ーー巻)そうなると魚などが食べてしまって、人間の体の中に入ってしまいますよね。

ーー東濱)最近ですと、鯨がビニール袋を食べてしまい死んでしまったということもありました。
大きいものもそうですが、小さいものも回収して行った方が良いと思います。

ーー巻)マイクロプラスチックってどれぐらいの大きさまで回収できますか?

ーー東濱)弊社の機械だと2mm程度まで取れます。

ーー巻)2mm!?

2mmのゴミまで回収できる『Seabin』

ーー東濱)人の手で取ることは困難だと思います。

ーー巻)そうですよね、こぼれ落ちちゃう大きさですよね。

ーー東濱)今、日本だとペットボトルやビニール袋の使用量を減らそうという流れがあると思います。
減らすのも大事ですが、僕がこの事業をやっていることもあり、流れ出ているものを回収することも同時にしていかなければいけないと思っています。

自治体にもそういった話をたくさんしていきました。
考えてくれてはいるのですが、まだ導入には至っていません。

ーー巻)そうですね。やっぱり廃プラスチック問題は日本の今の大きな課題の一つですよね。

ーー東濱)海を綺麗にしたいと思っていますが、進められていないというのが現状ですね。

ーー巻)廃プラスチックのリサイクル率が80%〜90%と言われていますけれども、燃やしたりとか埋めたりというのがほとんどなのでそれってリサイクルとは言わないんじゃないかと。
こういった状況がずっと続いているので、もう一つ考えないといけないですよね。

◼️Sports for Social

スポーツを通して、社会貢献活動に取り組んでいる企業・団体・個人を応援するメディア「Sports for Social」
TOTAL記事数150本突破✨
プロスポーツチームやアスリートとタイアップもしています!

HP:https://sports-for-social.com/

◼️巻誠一郎氏プロフィール

元日本代表プロサッカー選手。 2003年ジェフ千葉に入団。2005年ジーコ監督率いる日本代表に選出。2006年ドイツW杯出場。 2010年ロシア、2011年中国への移籍を経て、東京ヴェルディに移籍しJリーグ復帰。 2013年ロアッソ熊本に移籍。2018年現役引退。 現役時代から地元熊本の震災復興に貢献する一方、介護施設、放課後等デイサービス、保育園などの経営も手掛けている。

Twitter:https://twitter.com/makiseiichiro36?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

Instagram:https://www.instagram.com/makiseiichiro9/?hl=ja

◼️株式会社SUSTAINABLE JAPAN

地球環境の継続可能な発展に貢献する。未来の子供達の為に綺麗な海を残す。

海洋浮遊ゴミ回収機『Seabin』を取り扱う企業として、日本への導入台数を増やし積極的に海洋ゴミ・マイクロプラスチック回収を行う。

HP:https://www.sustainablejapan.org/

Instagram:https://www.instagram.com/sustainable_japan_co_ltd/?hl=ja

The post サッカー元日本代表 巻誠一郎が考える、アスリートが社会貢献活動を行う理由 first appeared on Nativ.media | 地方移住・関係人口創出のプラットフォーム.

© ネイティブ株式会社