【MLB】大谷翔平の初ライブBP登板から感じさせる投球の進化「強い強度で投げる」

ライブBPに登板したエンゼルス・大谷翔平【写真提供:Angels Baseball】

昨季97マイル(約156キロ)に到達したのは1球のみ、キャンプ序盤で剛速球を披露

エンゼルスの大谷翔平投手が24日(日本時間25日)、アリゾナ州テンピで行われているスプリングトレーニングでキャンプ初めてライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板した。ウォルシュ、レンヒーフォに2打席ずつ計20球。最後の20球目に最速97マイル(約156.1キロ)をマークした。キャンプ序盤で剛速球を“復活”させ、米メディア関係者も驚かせた。

昨季なかった躍動感たっぷりの投球フォーム。大谷が右腕をしならせて投じた剛速球は最速97マイルを計時した。「(手術した)肘の馴染み方もいいと思いますし、投げている感覚、そこが1番かな。メカニック的なところもありますけど、もちろん、そこかなと思います」。オンライン会見で満足げに振り返った。

打撃投手での制球難は“ご法度”。マウンドから投げるとはいえ、味方打者の懐をえぐるような投球はできず、まだまだ本気度も出にくい。それでも、この日は今キャンプのブルペン投球と同じように、フィニッシュ後に前へステップするようにして投球。投球フォームが変わったことについて、大谷は「常に効率よく投げたいと思っている。腕の通るタイミングだったり、足の踏み込むタイミングだったり、振るタイミングだったり。一番は1個1個のタイミングが大事かなと思っています」と話すにとどめたが、打者を打ち取ってやるという闘争心を感じさせる投球フォームだ。

古巣・日ハム関係者によれば、大谷が登板前ブルペンで全力投球していたのは「本当に大事な試合前だけ」。最速165キロを出した2016年CSファイナルのようなビッグゲームだけで、「なぜ練習から全力で投げないのか」は疑問だったという。この日、大谷は「しっかり強い強度で投げる、ゾーン内で勝負する」とテーマ設定していたとはいえ、昨季97マイルに到達したのは1球だけ。よほど状態もいいのだろう。「強度を高く投げようと思ったら、そういう(投球フォーム)のがズレてきたりするので、しっかりとした強度の中でもタイミングを合わせられるようにブルペンからやりたい」と今後も見据えた。

この日は日ハムでの新人時代に投げていたチェンジアップも試投。剛速球だけでなく、新たな取り組みにも意欲的だ。「久々に投げて変化も良かった。落ち球としてより横の変化として投げたい」。投手・大谷の復活ではなく、今季はより進化した投球が見られそうだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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