波佐見 陶箱クッキー3月発売 農業、窯業が協力 土産の定番目指す

波佐見焼の器に米粉クッキーを詰め合わせた新商品「陶箱クッキー」

 長崎県東彼杵郡波佐見町観光協会は、町産の米粉で作ったクッキーを波佐見焼の器に詰め合わせた「陶箱クッキー」を3月6日から発売する。窯業、農業などの異業種が協力し「波佐見土産」の新しい定番を目指す。
 波佐見焼のブランド化を追い風に近年観光客が増えている同町だが、地域を代表するような土産品が少ないという悩みがあった。町観光協会と町が数年前から共同で商品開発に着手。フードコーディネーターの平尾由希さん(東京)をアドバイザーに招き、農業と窯業を基幹産業とする「半陶半農のまち」を象徴する土産品の企画を進めた。
 完成した商品は「原料からパッケージまで“オール波佐見”にこだわった」(町観光協会)。町内の農業者が、米粉に加工するのに適した品種ミズホチカラを栽培。農地では、波佐見焼の製造過程で生じる廃石こう型を粉砕し、土壌改良材として用いる。同町では廃棄される石こう型の処理が長年の課題だった。カルシウムを多く含む石こう型を再利用し、地域内循環の構築も目指す。
 クッキー作りは、県内有数の棚田が広がる鬼木地区の「鬼木加工センター」が担当。形状や味が異なる7種類を、地域の女性たちが焼く。器は陶磁器商社「アイユー」が「鹿の子」と「ヘリンボーン」の2パターンの柄に各3色(ホワイト、レッド、イエロー)の計6種類をデザイン。使用後も小物入れや器として使える。外箱はパッケージ製造販売業「岩嵜紙器」が作った。
 2月にオンライン限定で先行販売したところすぐに完売。3月6日以降は、オンラインショップ「STORES(ストアーズ)」と町観光協会で販売する。税込みで3520円。問い合わせは町観光協会(電0956.85.2290)

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