田中将大、27日に2度目登板 中田に3ラン浴びた前回を「例外」と見ていい根拠とは?

日本ハム・中田翔に3ランを浴びた楽天・田中将大【写真:荒川祐史】

20日の初登板は最も柔らかいとされる沖縄・金武での試合だった

8年ぶりに日本球界に復帰した楽天・田中将大投手は、27日のヤクルトとの練習試合(沖縄・浦添)で今年2度目の実戦マウンドに立つ。20日の実戦初登板は日本ハム・中田翔内野手に3ランを浴び2回3失点の“ほろ苦スタート”となったが、チーム内では「投球内容はここからぐんぐん良くなる」との見方が強い。その根拠とは──。

田中将は楽天のキャンプ地である沖縄・金武町ベースボールスタジアムで実戦初登板した際、カチンカチンのメジャーとは大違いの柔らかいマウンドに戸惑った。6日のキャンプ合流後、同じ土質のブルペンでピッチングを重ねてきたが、「やはり試合ならではの出力というか、エネルギーの使い方というものがあって、ブルペンの感覚とは違いました」と説明した。

石井一久GM兼監督は「一般的には、最近は日本のマウンドも硬い。僕が帰って来た頃(石井監督が現役時代にメジャーからヤクルトに復帰した2006年)よりは全然硬くなっている。金武が一番柔らかい」と言う。

その点、田中将の2度目の実戦登坂の舞台となる「ANA BALL PARK浦添」はヤクルトのキャンプ地で、金武に比べるとマウンドはかなり硬いとされる。石井監督が「内間はちょっと硬いマウンドに立ったら、体の使い方がスムーズに行った」と指摘するように、ドラフト4位ルーキーの内間拓馬投手(亜大)は21日に浦添でのヤクルトとの練習試合に登板し、1イニング3者三振の快投を演じた。

ドラ4・内間は浦添で好投、「だまされました」と小山投手コーチ

金武のブルペンで投球練習を見た限りでは、「いい球と悪い球の割合が半々」(石井監督)と評価が低かった投手だが、小山伸一郎投手コーチが「ブルペンではあまりいいイメージがなかった。はっきり言います、だまされました」と仰天するほどの変貌を遂げた。

したがって、田中将の浦添での登板には期待が持てるというわけだ。さらに、3月に入ってからの楽天のオープン戦日程は、中日の本拠地バンテリンドームで2試合、静岡草薙球場で9試合、神宮球場で1試合、東京ドームで2試合。石井監督は「バンテリンドームのマウンドは硬いし、静岡も硬い。神宮球場と東京ドームを含め大きな違いはない。環境の違う地方球場はもうない」と語り、開幕後の各本拠地球場での公式戦を含め、今後マウンドは田中将を悩ませる要素にならないと見ている。

マウンドだけではない。昨季まで田中将が在籍したメジャーリーグの各球団は今月中旬にキャンプインしたばかりで、28日(日本時間29日)からようやくオープン戦に突入する。楽天のチーム関係者は「向こうの先発ローテ投手はそこから中4日でバンバン実戦登坂して仕上げていく。田中もそのスケジュールが体に染みついている。今年は中4日というわけにはいかないが、ブルペンでの球数を増やすなどして開幕までにはきっちり間に合わせるはず」と語る。“本物”の田中将大の姿が見られる日は近そうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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