「長崎を守ってくれてありがとう」 長崎大の学生有志100人 医療従事者へ感謝のポスター

約100人の学生から集めたメッセージを手にする足立さん(左)と海田さん=長崎市茂里町、長崎新聞社

 長崎大の学生有志が、新型コロナウイルス感染症対応の最前線に立つ医療従事者に向けて、約60サークルの総勢約100人がメッセージを手にしたポスターを作った。感染防止に率先して行動することを誓い、満面の笑みで伝えている。「長崎を守ってくれてありがとう」
 製作したのは、毎年春にサークルの紹介と勧誘をする新入生歓迎祭(新歓祭)を運営する「全学サークル連合」。足立尽代表(21)=教育学部3年=が企画した。昨年はコロナ禍で新歓祭を延期。新入生は楽しみにしていると聞き、「実施するなら長大生が若者の模範になろう」とアイデアを練り始めた。全国的に若者が感染を拡大していると批判されていた。厳しい環境下で奮闘する医療従事者に向けて、多数のメッセージを集約できるポスターの製作を決めた。
 新歓祭は感染対策を施し昨年10月に開催。会場で同連合の海田茉季さん(21)=同=がスケッチブックを手に60を超えるサークルを回った。「メッセージを書いてくれませんか」。学生のほとんどが軽快に油性ペンを走らせ、笑顔で写真撮影に応じてくれた。海田さんは「長大生が医療従事者と共に闘う気持ちが伝わって、私まで温かい気持ちになった」と振り返る。
 「いつもありがとうございます」の感謝の言葉に龍踊(じゃおどり)のイラストを描いたのは龍踊部。競技かるた部は「かるたの後は手指消毒」。フライングディスク部は、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を「フリスビー7枚分の距離を保とう」とメッセージにはサークルらしさが出た。海田さんは写真を編集し約1カ月かけてポスターを仕上げた。
 足立さんと海田さんは今月、県医師会を訪ね、ポスター(縦約60センチ、横約40センチ)約500枚を手渡した。足立さんは取材に「これからも感謝の気持ちと感染防止の心掛けを続けます」と力を込めた。

医療従事者に向けたメッセージを集めたポスター(足立さん提供)

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