父と息子が築いた本当の親子関係とは イスラエル映画「靴ひも」が3月6日に上映

▲(c)Transfax Film Productions

 家を捨てた父親と、発達障害のある息子との関係を見つめた映画「靴ひも」(2018年、イスラエル)が、3月6日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で山口県内初上映される。時間は、午前10時半、午後2時、7時からの3回。

 母の突然の死により、約30年ぶりに一緒に暮らすことになった父と息子。息子は明るく人なつこい性格の一方で、生活習慣へのこだわりが強く、苦手なことも多い。そんな息子に対して、一度家族を捨てた父は負い目もあり、どう接したらよいか分からない。二人がようやく打ち解け始めた頃、父は末期の腎不全と診断され、人工透析が必要になる。ソーシャルワーカーの勧めで特別給付金を申請することになり、その面接の場で、息子は特別な支援が必要であると証明するために靴ひもを結べないふりをするが―。

 タイトルの「靴ひも」は、息子の苦手な動作の一つである「靴ひもを結ぶこと」を指しており、本作では父子の関係の変化と成長の象徴として三度登場する。

 監督を務めたのは、イスラエルの映画・テレビドラマ界で長年活躍するヤコブ・ゴールドヴァッサー。監督自身も、障害を持つ息子の父親であり、「テーマが身近であるだけに困難な挑戦だったが、『映画を通して人々の障害に対する意識を変えたい』という情熱が制作の原動力になった」という。また、イスラエルで報道された実在の父子の臓器移植にまつわるエピソードをもとに、普遍的な親子の愛が描かれている。

 本作品は2020年9月に文部科学省から教育上価値が高いと評価される映像作品(青年・成人向き)にも選ばれた。そのほか、イスラエル・アカデミー賞(2018年)で8部門のノミネートと助演男優賞受賞、アメリカ各地の映画祭で観客賞を多く受賞するなど数々の受賞歴を持つ。

 前売り券(電話予約可)は一般1500円。同館、山口市民会館、YCAMなどで購入できる。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。申し込み・問い合わせは、主催の西京シネクラブ(大久保雅子代表、TEL083-928-2688)へ。

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