ST-Xクラス王者のTeam HIRIX。2021年はスーパー耐久へ参戦せず、IGTCを含む海外GTレース参戦へ

 2020年のスーパー耐久シリーズ ST-Xクラスのシリーズチャンピオンに輝いたTeam HIRIXは2月26日、プレスリリースを発行し、2021年シーズンはスーパー耐久へのシリーズ参戦は行わず、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジを含めた海外GTレースへの参戦に向けて準備を進めていることを発表した。

 チーム結成初年度となった2020年、Team HIRIXはスーパー耐久 ST-XクラスにHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3で参戦。シーズンの開幕戦であり、チームのデビュー戦となった『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』ではピット作業中にマシンから出火に見舞われたものの、その後は快走をみせてデビュー・ウインを獲得した。

 続く第2戦SUGOでは2位を獲得し、シーズン前半から耐久レースでの強さをみせたTeam HIRIXだったが、第3戦岡山では高木真一が3番手を走行中に大クラッシュに見舞われてしまう。高木は腰椎と右手首を骨折し、シーズン後半のラウンドを欠場することに。

 マシンのダメージも大きく、第4戦もてぎでは新車のメルセデスAMG GT3を投入して挑んだ。チームのエースである高木が欠場となったなか、山脇大輔、ショウン・トン、根本悠生の3人で第4戦を制しシーズン2勝目を獲得すると、続く第5戦オートポリスは4位でチェッカーを受け、シリーズランキングトップのまま最終戦である第6戦鈴鹿を迎えることとなった。

 しかし、1月23日に開催を予定していた第6戦鈴鹿は、新型コロナウイルスの感染拡大により、開催地である三重県の近隣府県から緊急事態宣言が要請された社会状況をうけ、開催が中止となった。代替大会の開催に向けても調整が重ねられたが、こちらも開催が断念されることとなり、2020年シーズンのシリーズランキングは第5戦までのランキング順で決定されることとなった。

 これにより、第5戦終了時点で2位のMP Racing GT-Rに17.5ポイント差をつける105ポイントを獲得していたHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3がシリーズタイトルを獲得。シーズンを通して一度もポイントランキングトップを譲ることなく、結成初年度となった2020年のシーズンを終えることとなった。

 チームにとって2シーズン目となる2021年、Team HIRIXは『スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook』には参戦せず、引き続きメルセデスAMG GT3を用いて、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジを含めた海外GTレースへ参戦するべく準備を進めていることを明かした。なお、参戦レースやチーム体制に関しては後日発表を予定している。

 Team HIRIXは「皆様の暖かいご声援を賜り、2020年スーパー耐久シリーズST-Xクラスにおいてシリーズチャンピオンを獲得できましたことに厚く御礼申し上げます」

「2021年スーパー耐久シリーズに関しては、当チームはシリーズ参戦致しません。一方で当チームは、引き続きメルセデスAMG GT3を用いて、新たなチャレンジとしてIGTCシリーズ含めた海外GTレースへの参戦準備を鋭意進めています。近いうちに参戦レースや体制を発表する予定ですので、今しばらくお待ち下さい」

「新型コロナウイルス感染症の影響が続く社会環境ではありますが、一刻も早い日常生活への回帰や興行体制を取り戻すべく当チームとしても努めていきたいと思います」としている。

Mercedes-AMG Team HIRIX Racingの888号車メルセデスAMG GT3
ST-Xクラスのタイトルを獲得したHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3
2020年の富士24時間を制したHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3(山脇大輔、高木真一、ショウン・トン、根本悠生)
2020年の富士24時間を制したHIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3(山脇大輔、高木真一、ショウン・トン、根本悠生)

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