白銀の世界でWRC第2戦アークティックが開幕。勝田貴元がシェイクダウンで3番手

2月26日、フィンランド北部の北極圏に掛かるエリアで開催されるWRC世界ラリー選手権第2戦アークティックが、同日朝のシェイクダウンで幕を開けた。デイ1の競技を前に行われたこのセッションではオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)がベストタイムをマークしている。

 フィンランド北部のロバニエミを拠点に、26日(金)から3日間に渡って争われるアークティック・ラリー・フィンランドは、雪と氷に覆われたシーズン唯一のフルスノーラリーだ。
 
 全日程おいてスパイクが埋め込まれた、ピレリ製のスタッドタイヤが使用される今大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となったラリー・スウェーデンの代替戦として行われる。
 
 その初日、デイ1の競技を前に、選手たちはロバニエミ近郊のヴェニバーラで実施されたシェイクダウンに臨み、全長5.69kmのコースでマシンの動きやセッティングの確認を行っていく。氷点下2度、薄い霧がかかり視界がやや遮られるなか始まったセッションで、まず存在感を見せたのは今戦の優勝候補のひとりであるカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)だった。
 
 20歳のフィンランド人が記録したタイムは2分40秒5。これをクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)が2度目の走行で破ると、チームメイトのタナクとティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が3回目のアタックで大幅に更新。タナクは2分35秒4までタイムを縮めてみせる。

 同じく3度目の走行ではトヨタ育成の勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が2分39秒8をマークして3番手に。最終的にはピエール-ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)が勝田と同タイムで4番手、僅差でブリーンが続くトップ5となっている。
 
 トヨタワークス勢は6番手となったロバンペラが最上位。前戦ウイナーのセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)は、今戦がWRC最高峰クラスのデビュー戦となるオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC)、Mスポーツのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)に次ぐ9番手。エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)は3回目の走行でスピンもあり12番手に留まった。

 なお、2番手タイムを記録したヌービルも、2度目の走行でスタックを喫し約20分を失った。しかし、ヒュンダイi20クーペWRCにダメージはないという。
 
 WRC第2戦アークティックのデイ1はこのあと15時過ぎ(日本時間22時過ぎ)から今大会最長、全長31.05kmのSS1が行われ、日没後の18時38分(日本時間25時38分)からSS1の再走ステージとなるSS2が行われる予定だ。

2度目の走行中にスタックしたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
コドライバーのアーロン・ジョンストンが新型コロナウイルスの検査で陽性となったため急きょ、セブ・マーシャルを迎えてWRCデビュー戦を戦うことになったオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC)
まさかのSS1リタイアとなったモンテカルロの雪辱を果たしたいテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)

■2021年WRC第2戦アークティック シェイクダウン結果

Pos. No. Driver Machine Time

1 8 O.タナク ヒュンダイi20クーペWRC 2’35.4

2 11 T.ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC 2’36.1

3 18 勝田貴元 トヨタ・ヤリスWRC 2’39.8

4 7 P-L.ルーベ ヒュンダイi20クーペWRC 2’39.8

5 42 C.ブリーン ヒュンダイi20クーペWRC 2’39.9

6 2 O.ソルベルグ ヒュンダイi20クーペWRC 2’40.0

7 69 K.ロバンペラ トヨタ・ヤリスWRC 2’40.5

8 44 G.グリーンスミス フォード・フィエスタWRC 2’41.2

9 1 S.オジエ トヨタ・ヤリスWRC 2’41.3

10 3 T.スニネン フォード・フィエスタWRC 2’42.7

11 20 A.ミケルセン(WRC2) シュコダ・ファビア・ラリー2エボ 2’45.0

12 33 E.エバンス トヨタ・ヤリスWRC 2’45.1

13 12 J.トゥオヒノ フォード・フィエスタWRC 2’46.4

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