琉球・吉村真晴「五輪の団体戦に似たような緊張感。本当に楽しかった」初優勝に涙

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン プレーオフファイナル 2月26日 アリーナ立川立飛>

卓球Tリーグサードシーズンの年間王者を決めるプレーオフファイナルが行われ、琉球アスティーダがマッチカウント3-0で2連覇中の木下マイスター東京を下し、初優勝を飾った。

第3マッチで、主将の吉村真晴琉球アスティーダ)が、全日本王者の及川瑞基木下マイスター東京)に勝利し、チームの勝利を決めた。この勝ち星もあり、吉村はTリーグサードシーズン年間MVPにも輝いた。

吉村は試合後、会見に臨み、優勝の喜びを語った。

吉村真晴(琉球アスティーダ)の試合後のコメント

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

試合を振り返って

本当に1番からハラハラドキドキする試合で、僕自身準備する立場として、感情が右往左往して上下動していた。2-0で回ってきて、必ず決めてやるという強い心を持って戦って、何とか3-0で勝つことができて非常にうれしく思っています。

優勝を決めてガッツポーズをして座り込んだ瞬間について

写真:優勝を決めた瞬間の吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

シンプルに本当にうれしかった。僕で決めたいという気持ちもあったので。最高な感じで、とりあえず疲れたので座りました(笑)。

まずは優勝してよかったぁと持って本当は(ベンチに)走りたかったんですけど、ベンチメンバーがすでに抱き合って僕のことを見てなくて。冷たいチームメイトだなぁと若干思いながら(笑)、僕もファンの人たちを見ようと思って。コロナの中、足を運んでくれて盛大に盛り上げてくれたので、会場を見渡しました。

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

全試合フルゲームになった時に、チーム全員が腕を思い切り振れているのはどうしてか

自信を持って、それぞれがTリーグを通して成長できていた。メンバーが野田学園のOBばかりで、そういう指導の下、成長してきていますので、戦えたのではないかと思っています。

4番に張本がいた。3番吉村選手で決めたいと思っていたのか?

もともとダブルスを取って、2番か3番に張本選手が来るだろうという読みをしていたら、まさかの4番に張本選手だった。各々張本選手に回るまでに決めたいという気持ちがあったので、プレッシャーもあったんですけど、なんとか張本選手に回らずに終わってくれた。

及川に追い上げられてたが

写真:及川瑞基(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部

1、2ゲーム目はいい形で試合をできた。3、4ゲーム目は僕が受けに回ってしまった。5ゲーム目入ったときに、自分の卓球をするというか、自分がどうするかしか考えていなかった。

自分が攻めて行けば取れるという、サーブや攻めの威力に自信を持っていたので、あとはやるだけだなと。何度も何度も5ゲーム目はやっているので、自信を持ってやれました。

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

5ゲーム目の1本目が非常に大事だと思っていた。それまでは、縦回転に対してストップで置きに行って相手がストップ、それに対してゆっくり起こしてバック対バックで後手に回る展開だったので、ガラッと変えたくて。

大きい打ち合いになった時、僕の強さが発揮されると思うので、思い切って及川選手のフォア側にツッツいて、打たせてカウンターから連打していくというところをイメージしていました。

昨年コロナで中止となり立てなかったファイナルの舞台の感想

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

リーグでは感じられないプレッシャーやドキドキ感があって、なかなか国内でこれだけ緊張する試合はなかったので、本当に楽しかった。世界選手権や五輪の団体戦に似たような緊張感があって、優勝して涙することもなかなか無い。それだけ懸ける思いも強かった。素晴らしい舞台でした。

写真:優勝後には涙も見せた吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

去年は、やりかった思いもありましたし、残念でしたし、でもこればかりは仕方なかった。海外の荘智淵(チュアンチーユエン・チャイニーズタイペイ)選手らがいない中で、もう一度この舞台に立てたのが本当に嬉しかった。

僕らもリーグ優勝すると思っていたんですけど、まさかの2位でファイナルの舞台と、もどかしい気持ちもあったんですけど、このファイナルの舞台でリベンジできたのはうれしいですし、やっぱりあそこに立った時に色んな人が琉球アスティーダの応援グッズやタオルを持ってくれていて、こう感じるものがあった。みんなが待ち望んでいるものを手にすることができた。

昨年と比べてチームとしてどこがよくなったか?

昨年+αで若手の宇田選手、戸上選手が入ってくれたのが大きい。昨年はベテラン中心となった戦いをしていた。若手が入ったことによって、レギュラー争いが激しくなった。

選手それぞれが出るための準備を尽くした。常にいい選手が試合に臨むことにも繋がったし、僕自身もうかうかしてられないと思って、あの2人が入ってくれたことで僕自身も成長できた。19歳の2人の影響はこのチームにとっては大きかったと思います。

琉球アスティーダで輝ける理由

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)が優勝シャーレを掲げた/撮影:ラリーズ編集部

このサードシーズンは、非常に仲の良いメンバーがそろってきて、楽しくシーズンを過ごせた。勝ったり負けたりしますけど、分かち合える仲間がいる。毎度毎度みんなに助けられて、でも楽しく結果を追い求めて走り切ることが出来た。最高のチームですね。

まだまだ健在ということが見せられたシーズン

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

東京(五輪の代表選考)を落ちて、一度は代表から退いてしましたが、僕自身粛々とパリに向けて準備してます。これからの吉村真晴をTリーグのサードシーズンでお伝えできた。国内から自分の強さをアピールできたので、また日の丸をつけて、国際舞台で戦っていきたい。

苦しいシーズン、リーグ全体にとってどんな意味を持つか

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

スポーツを有観客でやることによって、僕ら選手も映えますし、スポーツは成り立っている。コロナを受けて、無観客でもスポーツの魅力が伝わったんじゃないかなと思っています。苦しい状況ではありますが、卓球の魅力を伝えていけた。

Tリーグができてプロとして活動できる選手が増えてきた実感はあるか

貪欲に勝ちに執着することも大切。ファンサービスやプレーの面でもみなさんに楽しいラリーをお届けしたり、それぞれのチームに色が出てきてプロの自覚を持った選手が増えてきている。

チームやリーグに根付いていけば、よりTリーグが大きい存在になると思う。僕自身も琉球アスティーダを通じて、みなさまに楽しいコンテンツをお届けできればと思っています。

文:ラリーズ編集部

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