「今年も遠慮なくやります」 楽天移籍2年目・鈴木大地が決めた野手リーダーの “覚悟”

移籍2年目もチームへの貢献を目指す楽天・鈴木大

電撃復帰した田中将大投手(32)ばかりに注目が集める中、楽天のまとめ役として存在感を高めているのが鈴木大地内野手(31)だ。26日のヤクルトとの練習試合では2打席連続で適時打を放つなど順調そのもの。移籍2年目にもかかわらず、今キャンプでは野手のリーダーとしての風格が漂い始めている。

「昨年はチームが変わって初めてのキャンプでしたから。やはり自分自身の中に緊張感があった。今年もキャンプ独特の緊張感はあるのですが、初めてのチームでやる、という感じではないので。そういう意味ではすごくやりやすいですね」

ロッテからFAで加入した昨季は開幕から攻守ともに好調を維持。シーズン序盤からチームをけん引し、最終的に打率はキャリアハイの2割9分5厘をマーク。守備でもベストナイン、ゴールデン・グラブ賞(三塁手)に輝くなど最高のシーズンを送った。だが、チームは最終的にリーグ4位に沈んだため、今季はリーグ優勝に加え悲願の日本一を目指すという。

加えて、チームの内野陣は競争が激化。昨季守備で複数タイトルを獲得したとはいえ、定位置確保は容易ではない。

「昨年(守備の)タイトルを獲れたから今年も、という自信はまったくない。残してきた実績、経験はあるかもしれないが、やはりそれは1年ごとにリセットされると思う。毎年新しい戦いや勝負が始まるのがこの世界。今年もそういう気持ちで臨んでいるのでアピールも必要だと思って必死にやっています。石井監督にも『昨年同様、一塁だったり三塁だったり、いろいろなところを守るケースはあるよ』と言われていますから。例年通り、監督から『行けるか』と言われた場所で迷いなく行ける準備、そして周りの信頼を失わないプレーを心掛けていきたい」

鈴木大と言えば、ロッテ時代からキャプテンシーが球界内で高く評価されている。昨季は移籍1年目でやや周囲に遠慮した面もあったはずだが、今季はどうなのか。

「キャプテンシーを評価してもらえることはうれしいのですが、それを結果としてやっているわけではない。ただ、ロッテの時から先輩方に学ばせてもらったことがたくさんあって。それを自分が伝えないといけないとは思っています。ここ(楽天)で1年間やらせてもらって、もっとチームに貢献したい、勝ちたいという気持ちが強くなっていますからね。何かを口にすると自分も責任を負うことになり、結果的に自分の首を絞めるかもしれない。でも、チームが良くなるのが一番なので。今年も遠慮なくやっていくつもりです」

自己犠牲を最優先するベテランがチームに8年ぶりの歓喜を導くか。早くもシーズンでの活躍が期待される。

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