ドキュメンタリー映画でレンブラントに情熱燃やす姿 画商ヤン・シックス氏、深い思い入れ語る

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巨匠画家レンブラントをめぐる人々の姿を追ったドキュメンタリー映画「レンブラントは誰の手に」(本日公開)から、画商のヤン・シックス氏のインタビューが公開された。

本作内でヤン・シックス氏は、作者不明の作品「Let the Little Children Come to Me」をレンブラントによる作品と確信してオークションで落札。真相を確かめるため、未熟な画家によって上塗りされたと思われる部分の修復を依頼する、レンブラントに対する情熱を燃やす姿を見せる。インタビューでは、レンブラントという人物についての専門的な見解や、日本美術への強い思い入れ、最近目星をつけている絵画のことなどについて答えている。

「レンブラントは誰の手に」は、没後350年以上経った今でも絶大なる人気を誇るオランダの巨匠画家、レンブラントの絵画をめぐる人々の姿を追ったドキュメンタリー映画。「光と影の魔術師」の異名を持つレンブラントが残した作品の美と魅力のほか、作品をめぐる画商、コレクター、美術館が生み出す物語をドラマティックに映し出している。「みんなのアムステルダム国立美術館へ」で美術館の舞台裏を追ったオランダのドキュメンタリー作家のウケ・ホーヘンダイクが監督を務めている。

【インタビュー】

Q.映画では、絵画が上塗りされていたり、削たれたりというシーンがありますが、このような修復方法はよくあることですか?

いえ、実際には非常にまれなことです。作業を始める前に必要なすべての調査が行われるので、とても安全な方法です。日々、レンブラントのオリジナルの絵画の詳細が明らかになっていきます。これは驚くべきことであり、壮大な美術史の冒険のようです。

Q.レンブラントという人物にどんな印象をもっていますか?どんな人物だったと聞いていますか?

私たちは彼の人生のほんの一部しか知らないので、難しい質問ですね。しかし、数少ない記録文書や、彼自身による書簡に基づくと、彼が実に知的で、雄弁で、自信に満ちていて、時に頑固で、何よりも創造力が豊かでとても孤独であったと言うことができます。また、息子ティトゥスを描いた極めて個人的で思いやりのある多くの肖像画を見ると、彼は偉大な父親でもあったと思います。

Q.他に好きな画家、思い入れのある画家はいますか?それは誰でしょうか?

もちろんレンブラントは別として、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、ディエゴ・ベラスケス、アンソニー・ヴァン・ダイク、ジョン・シンガー・サージェントなどの西洋の芸術家の作品が好きです。でも、鎌倉時代の無名の彫刻家たちによる日本の彫刻も好きだし、何よりも京都の朝廷の彫刻が好きです。運慶(1150-1223年)はこの時代の彫刻家として最もよく知られていますが、彼の僧侶の彫像の中にはミケランジェロを超えるものもあると思います。

Q.映画が公開された後、国内や周囲からはどんな反響がありましたか?

非常に好評でした!残念ながらコロナのせいで数週間しか上映されませんでしたが、レンブラントの作品をスクリーンで見ることができたのは素晴らしかったです。レンブラントはオランダで国民的英雄とされているので、彼についての何かが上映されると、みんなそれを愛するのです。

Q.あなたは劇中で、絵画に対してとても愛情と敬意を持った人物に見えます。実際、ご自分をどのような美術商だと思いますか?

私は学者ディーラーだとみなすことができる思います。扱っている美術品の調査や証明には、膨大な時間をかけています。私にとっては、その作品の持つ情熱、歴史、そしてそれらを理解することが何より重要です。実際は作品を売ることに喜びを感じることはほとんどありません。結局のところ、売らないと生きていけないコレクターと言ってもいいかもしれません。

Q.今、新たな発見となるだろう作品として目星をつけている絵はありますか?

もちろんです!あなたたちも今にその詳細を耳にすることでしょう!

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