黒髪でないと… 約半数の都立高校で「地毛証明書」提出求める

東京都立の高校の4割以上で、黒髪直毛以外の生徒に対して「地毛証明書」の提出を求めていることが分かりました。

「地毛証明書」とは、髪の色が黒以外の生徒やいわゆる天然パーマ=くせ毛の生徒に対して、その髪の毛が生まれつきの地毛であることを証明する届け出を提出させているというものです。中には、幼少時と中学3年の時代の写真の添付を求める学校もあるということです。これは共産党都議団の調査で明らかになったもので、地毛証明書を求める都立高校は、調査に応じた177校のうち79校と、半数近い数となっているとしています。

地毛証明書は何のために提出させているのでしょうか。東京都教育委員会は「事実誤認による頭髪の指導を防ぐためのもの」と説明し「強制ではない」としています。しかし、生まれつきのものでどうすることもできないことなので、書面を提出しなければいけない生徒と何もしなくてもいい生徒に分かれてしまうのは平等ではありません。

地毛証明書に対してはSNS上で疑問の声も上がっています。「黒髪で直毛が普通というのは価値観の押し付けだ」「国際化する中で、多様性を否定するルールではないのか」「生まれつきの髪であることは人が持つ当然の権利で、指導の対象にしないでほしい。学校に許可を求める必要があるのか」といった声も聞かれます。ただ「学校の秩序を保つためには必要」「厳しい校則があったからこそ、部活に集中できた」という声もあります。

<都立高校に残る「不思議な校則」>

都立高校の中には、今でも不思議な校則が残っている学校があるようです。髪形では「ツーブロック禁止」となっている高校があります。この髪形が禁止になっている理由について東京都教育委員会は「地域によっては外見で事件や事故に巻き込まれる可能性があり、生徒を守るためのルールだ」と説明しています。「東京都内で、ツーブロックにしていると事件に巻き込まれる地域がある」という説明は、少し疑問が残ります。

他にも「制服の下に着る物は、白の無地に限る」といったものや、「旅行・キャンプ・海水浴などは、事前に目的や目的地、同行者などを生徒指導部に届け出て、終わったら連絡をする」という校則がある学校もあります。

「生徒に理由を明確に説明できないような校則は撤廃した方がよい」「自主性を育てると、自分自身の行動に責任を持つようになる」といった意見もあります。大人の価値観の押し付けではなく、指導が子どもの成長につながるのかという視点がいま、求められています。

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