楽天の開幕投手は涌井秀章、田中将大は2戦目登板 石井一久監督が発表

開幕投手を発表した石井一久監督

楽天・石井一久監督(47)は27日、開幕ローテーションについて言及し3月26日の開幕日本ハム戦(楽天生命)の先発を涌井秀章投手(34)、第2戦を田中将大投手(32)に託すことを発表した。

田中将の実戦2戦目登板となったヤクルト戦(浦添)後に語ったもので、石井監督は「まず開幕は涌井投手で行くことを決めました。また2戦目も田中投手で行くことを決めているので、なにかの原因で余程のズレがない限り、その順番で戦って行こうと思います」とスタートダッシュを託す表ローテの2枚に言及した。

開幕戦を涌井に託す理由について指揮官は「昨年もしっかりイニングを投げてくれて勝ってくれた。チームのために貢献した一番のピッチャーなのでまず先陣を切ってもらいたい」と説明。2戦目の田中将についても「だいたい土曜日はナイター明けのデー(ゲーム)とか変化のある曜日なんですけど、そこでしっかり勝ってもらいたい。涌井で勝って田中で勝って3連戦を勝ち越すというのを理想としているので、そこに強いピッチャーを2人持ってきた」と意図を語った。

3戦目に関しては明言しなかったものの、ここまでの調整過程で日曜日に登板しているのが昨秋ドラフトの目玉左腕・早川隆久投手(22=早大)であることから開幕カードの表ローテは涌井ー田中将ー早川の並び。昨年の勝ち頭、帰ってきた大エース、期待の155キロルーキー左腕のお披露目という順番で3連勝を狙いに行く算段のようだ。
対する裏ローテは則本ー岸ー競争の続く6番手の並びとなりそうだが、マッチアップするライバル球団は大変だ。

通常、そのチームにエース級2人がいた場合、表裏のカード頭に配置するのが理想のローテーションの組み方となる。そこには相手チームもエース級の看板投手をぶつけてくるため、互いにロースコアの投手戦を想定した守備重視のオーダーを組んでくることが多い。

そして、2戦目にはそれぞれのチームの3、4番手格の投手を配置。3戦目に5、6番手が登板し、試合が進むにつれ自軍打線の相性等を考慮しながら「3~5点の打撃戦想定」など守備的布陣から攻撃的布陣にオーダーをシフトしてくるチームが多い。

しかし、相手目線から見た場合、涌井ー田中将ー早川の表ローテのどこで攻撃的布陣を敷けるのかという問題が出て来る。自軍先発陣との関係性から考えて田中将相手に序盤に自軍先発投手が5失点してしまえば敗色は濃厚となる。

かといって、投手戦を想定してもそれぞれカードの中日に配置される田中将、岸と投げ合える3、4番手を備えたチームがどれだけあるのかという問題も出て来る。

優勝候補筆頭のソフトバンクもチームカラー自体が「後半追い込み型」で千賀、東浜の調整が遅れ今年も前半戦は苦戦が想定される。

他球団007部隊の一人は「楽天さんは去年も前半戦はよかったですからね。外国人が揃うまでは、投手力を全面に出してベンチワークで相手より1点多く取る野球に徹してくると思う。再度のスタートダッシュ成功は十分にあり得る投手力です。去年は夏場以降に落ちてしまいましたけど、もう一度やってしまったら今度は本当に行くんじゃないかな」と楽天の独走シナリオを警戒している。そうなり得る強力な先発ローテーションであることは否定できない。

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