グローバル×ローカルな医療課題解決に向け医療AI人材育成へ 岡山大学

岡山大学は、文部科学省の「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト」において「『Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点」を申請し、採択された。東北大学(主幹校)と北海道大学(連携校)など全12校とともに多数の企業や自治体と連携し、産学官でAIの研究開発を推進できる医療人材の養成とその拠点形成を目指す。

加速する超高齢化に伴い医療資源が都市部に集中し、地方での医療過疎は大きな課題となっている。人材不足を補う解決策のひとつであるAIを活用した医療解決方法は急務であるが、保健医療分野においてはAI研究開発を主導する実践的人材が不足している。

本プロジェクトでは、国内で初めて保健医療分野向けAI人材育成システムを構築し、実践的にAIを活用した医療課題解決策を導く人材を育成する。養成された人材は医療機関内診療、在宅医療、ビジネス、公衆衛生など幅広いヘルスケア領域で国内外での活躍が期待される。

また、新型コロナウイルス感染症のような極めて困難な医療課題にも立ち向かえる医療AI人材の輩出も目標のひとつ。オンライン、オフラインのハイブリット型教育を提供し、ウィズコロナ時代の効果的な新教育システムとして国際的な展開も期待される。

連携する全12校は、座学から実践を繋ぐ3段階プログラムを構築。第1段階では、オンラインで機械学習やプログラミング言語の基礎、また医療データ分析として放射線画像解析などを講義する。第2段階は、チュートリアル形式で実習を行う。オンライン上で実際の医療データ処理を自ら行う実践的なハンズオン実習と、実際の医療AI活用例を基に座学と実践の接続を理解するディスカッション実習を行う。第3段階では医療現場観察を行い、デザイン思考を活用した現場の課題抽出を行い、最適なAI介入方法をワークショップ形式で議論する。

プロジェクトにおいて岡山大学では、医療系学部・大学院研究科だけでなく、同大学の工学系や人文学系研究者、AI・機械学習関連研究組織、AI・セキュリティ関連技術分野の企業と、大学研究者の組織などが参画。協力校として中国四国の5つの大学(徳島大学、香川大学、山口大学、鳥取大学、川崎医科大学)が参加を予定しており、新しい枠組みの形成が期待される。

参考:【岡山大学】「Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発」 人材育成教育拠点採択のキックオフミーティングを開催

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