好調タナクが2日目も首位をキープ。トヨタのオジエは痛恨のデイリタイア/WRC第2戦

 フィンランド北部のロバニエミで開催されているWRC世界ラリー選手権第2戦アークティックは2月27日、デイ2のSS3~8が行われた。6本のSSで争われた競技2日目を終えた時点で、総合首位はオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)。トヨタのカッレ・ロバンペラ(ヤリスWRC)が総合2番手につけている。

 シリーズ史上初、北極圏でのラリーとなっているWRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランドは、競技の大部分を占める大会2日目を迎えた。
 
 全10本のステージの内6SSが行われたこの日も、初日に速さをみせたタナクが勢いをそのままにラリーをリード。オープニングのSS3で3ステージ連続となるベストタイムをマークすると、SS5と日中のサービスを挟んで行われたSS6でもステージ優勝を飾ってみせた。

 なお、SS4で小さなミスからスノーバンク(雪壁)にヒットする場面も見られたものの、大きなロスにはならず。日没後に実施されたSS7とSS8では、ともに2番手タイムをマークし総合首位の座をがっちりとキープ。今季初優勝に王手をかけている。

「今日の午後を乗り切ることがすべてだった。そして僕たちは間違いを犯さなかった」と語ったタナク。

「今朝はまだ少しプッシュしていたが、午後は無事にラリーを終えることだけが重要だった。最終ステージはかなりストレスがたまったけれど、僕たちがプッシュする必要はなかった」

カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021WRC第2戦アークティック

 そのタナクを追いかけるライバルたちでは、母国でキャリア初優勝を狙うロバンペラと、ヒュンダイのチームメイトであるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がポジションを上げてきている。

 20歳のロバンペラは、僚友エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)がステージウインを果たしたSS4で、クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)をかわして総合2番手に浮上。午後のSS7ではベストタイムをマークし、1日の終わりにはトップと23.3秒差の2番手につけた。

 また、初日を4番手で終えたヌービルも安定した速さをみせ、ペースの上がらないチームメイトをSS6で逆転する。SS7終了時点ではタナクから約39秒遅れていたベルギー人だったが、この日の最終ステージで僚友よりも12秒早いタイムを刻みステージウインを達成。その差を25.9秒に縮め、表彰台圏内のポジションで残る2ステージを迎えることとなった。

■オジエ、残り200メートルでの悲劇

 初日2番手だったブリーンはタイヤのマネジメントに苦戦。この日はトップ3タイムを刻むことができず総合4番手に順位を下げている。SS4を制したエバンスもタイヤの管理に苦しめられ、トップとのギャップが1分以上に広がった。

 総合6番手はWRカーデビュー戦を迎えているオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC)で、その後ろに勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)とMスポーツ勢のテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)が続いている。

 前戦ウイナーであるセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS3番手タイムを2回記録する力走で、一時は総合6番手にまで順位を上げてみせた。しかしSS8の終盤、彼のクルマはスノーバンクに激突。スタック状態からの脱出が叶わずデイリタイアを喫した。なお、車両に大きなダメージはなく、デイ3で再出走を果たしパワーステージでのポイント獲得を狙う予定だ。

 競技最終日となる28日(日)のデイ3は、全長22.47kmのステージ“アイッタヤルヴィ”をサービスを挟むことなく2回走行する。再走ステージとなるSS10は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーチームにボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。

 2本のSSの合計距離は44.94kmで、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は126.17kmとなっている。

テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC) 2021WRC第2戦アークティック
ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) 2021WRC第2戦アークティック
セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021WRC第2戦アークティック
ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) 2021WRC第2戦アークティック
エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 2021WRC第2戦アークティック
勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021WRC第2戦アークティック

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