「お前は世界最強からセリエCに成り下がった」 元インテル守護神が明かすモウリーニョのモチベ術

インテルで300試合に出場し、2010年の三冠達成にも貢献した元ブラジル代表GKジュリオ・セーザル。

当時の指揮官であるジョゼ・モウリーニョ監督とは愛憎入り混じる関係だったとか。『The Players Tribune』でこう綴っている。

ジュリオ・セーザル(元インテルGK)

「2008-09シーズンの自分とモウリーニョとの関係は父と息子のようだった。

それからは、もっと複雑になっていったとだけ言っておこう。

2010年の春、僕らはセリエA、コッパ・イタリア、チャンピオンズリーグのトレブル達成のために戦っていた。

自分はひどいプレーをしていて、自信を失っていたんだ。

ある日、練習前のウォームアップをしていると、モウリーニョがやってきて、氷のような冷たい声でこう言われた。

『お前は世界最高のGKからセリエCのキーパーに成り下がったな』

Hahaha。

僕を鼓舞するための彼のやり方だった。僕がもっとうまくやるように刺激するアイデアだった。

ほとんどの選手たちにはこのやり方はうまくいった。

あのチームが大成功したのは、モウリーニョが僕らを直接的かつ気取ることなく扱ったからさ。

彼は相手が誰であろうとお構いなしに全員の前で叱責する。でも…」

「大事なのはそういうリーダーシップに誰もがうまく反応するわけではないということ。

自分はダメだった。自信を失ったよ。ピッチに出るとさらに不満が増すようにさえなったんだ。

それでも、モウリーニョのもうひとつの素晴らしさは、不当な扱いを受けたと感じた時に彼と話し合いができるということ。

その春に僕らは誤解を解くための長い話し合いをした。

それをする前の自分は重苦しくて悲しい気持ちだったけれど、その後は普通に戻った。

数か月後、UEFAは僕をヨーロッパの年間最優秀GKに指名したのさ」

不調で自信を失っている時にモウリーニョから辛辣な言葉をかけられたというジュリオ・セーザル。それは選手を鼓舞する指揮官の手法だったが、彼にはハマらなかったそう。

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