中国昨季王者の江蘇FCが破綻 Jリーグにも大物選手が流れる?

中国1部で昨季王者の江蘇FCが28日に突如として運営停止を発表し、波紋が広がっている。王者の破綻の裏側と今後の日本への影響とは――。

これまでの江蘇蘇寧から今季改名した江蘇FCはイタリア1部の名門インテルも保有する中国の小売り大手蘇寧グループがオーナーを務め、昨季のリーグ戦を制覇した。

これまで元イングランド代表監督のファビオ・カペッロ氏や、元ブラジル代表MFラミレス、同MFアレックス・テシェーラなど大物を獲得してきたが、そうした大型補強の裏で財政難も指摘されていた。

中国紙「広州日報」によると「買収から5年間で多額の投資を行い、契約に1億6000万ユーロ(約204億円)以上を費やした」と放漫経営を指摘。

「昨年の新型コロナの流行の影響により、蘇寧グループは経営で大きな困難に直面し、蘇寧FCへの投資は持続不可能となった。昨年の優勝と同時にクラブの株式譲渡の検討を開始したが、残念ながら短期間で適切な引受先を見つけることができなかった」とその内情を報じた。

そして「1週間以内に新たなオーナーを見つけられなければ、彼らは正式に解散する。そして今年の中国スーパーリーグとアジアチャンピオンズリーグ(ACL)への参加資格を失う」と指摘した。

江蘇FCは今季のACL1次リーグで名古屋とともにG組に入っており、日本勢への影響も必至。現在のところ昨季の中国1部で6位だった重慶が代替候補となる可能性があるという。

また、江蘇FCが解散すれば選手の受け入れ先も問題になる。同紙は「多くのクラブのターゲットになるかもしれない」と予測。同クラブにはテシェーラのほかにも元イタリア代表FWエデル(29)や元ブラジル代表DFミランダ(36)など優良助っ人も在籍しており、まだ移籍市場が開いているJリーグなど他国リーグも含めて〝草刈り場〟となりそうだ。

中国王者の経営危機は各方面に大きな影響をもたらしそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社