多様性考える契機に 神奈川・葉山町、広報紙で「性のあり方」特集 町村部門で最優秀に

特別な存在でないと伝えたくて、『性的少数者(LGBTQ)』という言葉はなるべく使わなかった」と話す河野さん=葉山町役場

 「性のあり方を考える」をテーマに特集した昨年12月の広報葉山が、神奈川県広報コンクールの広報紙・町村部門で最優秀賞に選ばれた。

 町のパートナーシップ制度で宣誓した女性カップルら当事者の声をはじめ、多くの人に自分ごとで考えてもらおうと、誰かの傷になり得る何気ない言葉、町中の身近な取り組みを紹介。「あなたの当たり前は、誰かの当たり前でないかもしれません」と問い掛け「誰もがありのままで生きられるまちで一緒に生きていこう」と伝えている。

 「男女カップルが当たり前?」。夕暮れの富士山と森戸海岸に浮かぶ、仲むつまじいカップルの影。そんな一枚の写真に添えた一言から9ページの特集は始まる。

 町で暮らす女性カップルが、近所には親戚同士だと伝えていること、パートナーシップ宣誓時に町長や職員に祝福され嬉しかったことを紹介。「理解してほしい訳ではないが、差別や嘲笑はしてほしくない」「特別な存在ではなく、ごく普通の家族。いろいろな人が身近にいると少しでも想像してもらえたら」と、生の言葉を伝えている。

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