【独自】相模原市議会前議長が職員にパワハラ LINEで「消えて」 本人は「何も答えられない」

相模原市役所

 相模原市議会の石川将誠(まさのぶ)前議長(44)=自民党相模原=が市職員に対し、威圧的な言動や暴言を繰り返し行っていたとする調査報告を市がまとめたことが28日、関係者への取材で分かった。職員の中には体調を崩して休職している職員もいる。市議会から調査を要請された市は、石川氏の一部の行為についてパワーハラスメントに該当するとした。

 複数の関係者によると、昨年12月上旬に当時議長だった石川氏が、複数の職員に威圧的な言動を行っているとの情報が市議会の各会派に寄せられた。石川氏は同18日に「一身上の都合」を理由に議長の辞職願を提出し、市議会で認められた。

 市議会は市に事実関係の調査を要請。市総務局が今年1~2月に、石川氏や市の関係者ら30人以上にヒアリングするなどして調査を行い、2月下旬に議会側に調査結果を報告した。

 複数の関係者によると、調査報告では、石川氏が議長職にあったころ、特定の職員に対し無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「異動してください」「邪魔です」「俺の視野から消えてください」などのメッセージを送信したと指摘。また、議長室への職員の出入りを禁じて部屋の前に立たせる言動があったと推認できる、とした。

 石川氏は、ラインのアカウントが自分のものであることを認めたという。議長室への出入り禁止や職員を立たせた行為も、複数の職員が実際に見たり聞いたりしたと報告された。

 こうした行為について、市は女性活躍・ハラスメント規制法がパワハラと定義する「優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、就業環境を害す言動」に該当するとした。

 ほかにも石川氏が特定の職員に「消えてほしい」「死んでほしい」「バカ」などの暴言を日常的に吐いていたとの複数の証言があったことも明らかになった。

 石川氏は現在4期目。2019年5月に議長に就任していた。石川氏はこれまでの神奈川新聞社の取材に「何も答えられない」としていた。

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