若鷹打線が爆発 工藤監督、小久保ヘッドの猛ゲキに応えた

首脳陣のゲキに応えた若鷹

やればできる! リーグ連覇を目指すソフトバンクが28日、オリックスとの練習試合(宮崎・アイビー)に10―0で快勝。宮崎キャンプ最終日を最高の形で締めくくった。意地を見せたのがオール若鷹打線だ。前日27日の同カードでは山岡、山本ら主戦級に完璧に抑えられ、試合後に工藤監督、小久保ヘッドコーチから奮起を促されていたが、見事、一丸の猛攻で応えてみせた。

宮崎キャンプ最終日。若鷹のみで構成された打線が大爆発した。初回、オリックス先発・榊原翼(22)に猛攻を浴びせ、先頭の周東佑京内野手(25)から5連打。釜元豪外野手(27)、上林誠知外野手(25)、栗原陵矢捕手(24)の3連続タイムリーで一気に4点を先制した。

小久保ヘッドから「2桁得点を取ろう」とのゲキも飛び出す中で、2回にも3点を追加。上林、栗原ら主力級はもちろん、3番に入った釜元や途中出場の谷川原健太捕手(23)が2打点を挙げるなど活躍した。終わってみれば2桁10得点の快勝だった。

意地を見せた。前日の同カードの練習試合では同じく若手のみの打線で零封負け。相手エース・山本、山岡との対戦だったとはいえ「余計にチャンス」と話した小久保ヘッドの期待には応えられなかった。チームとして2試合連続の無得点…。試合後には小久保ヘッドから若手野手全体へ「1球をもっと大切に、この1球しかないと思うぐらいの気持ちで打席に入るように」とゲキを飛ばされていた。打席での執念を見せろ。工藤監督も思いは同じで「この打席で何とかしないといけないという強い気持ちで向かっていってほしい」と苦言を呈していた。

その〝猛ゲキ〟に若鷹が応えた。3月からは二軍に合流となるも、最後にマルチ安打を放ち今後へのアピールに成功した増田珠内野手(21)は「1球1球に食らいついていった結果、9イニングが終わっているくらいのをイメージにして、試合に臨みました。そういう気持ちを忘れずに1球1球大事にしていきたいです」と力強く口にした。

試合後の工藤監督も若鷹打線の奮起に「次へ次へと言葉にも出ていた。こうなってくると、若い人たちだけにより勢いに乗り、気持ちが前向きになる。今まで受けていた部分もありましたけど、打撃の部分でも積極的に行っていた」と笑顔だ。

今後、ふるい落としにかけられながらも続いていくアピール合戦には「僕らはただ単に打ってる姿だけじゃなくて、粘ってる姿とか、何とかしようとする姿とか。エラーもそれが思い切ったプレーなのか、引いたようなプレーなのかとか、そういうところを見ている。最後の最後まで僕らが悩んで『決められないぞ』となるぐらいまで頑張ってほしい」とエールを送った。

5年連続日本一を目指す工藤ホークス。開幕一軍争いはもちろんのこと、シーズンでも激しい競争が続いていきそうだ。

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