26歳サラリーマン、不動産投資×副業で年収5000万、30歳で”早期リタイヤ”

越谷大家こと、今岡純一さんは製薬会社に勤めていた元サラリーマン。26歳で不動産投資を開始して、その4年後の30歳に家賃収入・売電収入が年間5,000万円、年間のキャッシュフロー2,500万円を達成して、念願だったサラリーマンリタイヤを実現しました。今岡さんの特徴といえば、若くして投資をスタートさせていることにくわえて、不動産投資だけでなく、物販・アフィリエイト・FX・株式投資と複数の投資や副業を組み合わせて行っていること。なぜそのような投資スタイルになったのか、を詳しく聞きました。


990万円の投資で、リターンは3000円?

――26歳で不動産投資ははじめたそうですが、なぜ不動産投資だったのでしょうか?

当時の私は製薬会社のMRをしていました。26歳のとき、担当しているドクターが開業することになり、そのドクターに「医院の前で薬局をやらないか」というありがたい提案を受けたのです。もともと独立志向があり、「ゆくゆくはサラリーマンを辞めて独立したい」と考えていた自分にとって、まさに夢にまで見ていた世界が飛び込んできたのです。

ただ冷静に考えてみると、今のサラリーマン収入を失い、薬局をいきなり始めてしまっても大丈夫なのか? もしも失敗してしまったら……と前向きな気持ちと後ろ向きな気持ちが交錯しました。ちょうどそのタイミングで、ワンルームマンションの投資話が舞い込んできたのです。
また、FXで300万円以上の損失を出してしまったこともあり、もっと安定的に資産形成ができるものはないかと考えていたところ、ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資に行き着きました。

――ワンルームマンションを購入したのですか?

いいえ、購入していません。ただ私は「サラリーマンを続けながらでも副業や資産形成はできる。今の仕事を辞めて、ゼロベースで借金を背負って薬局経営に挑戦するのはリスクが高い。まずは不動産などの担保となる資産を作ってから、好きな仕事をすべきだ」と結論に達し、薬局の話を断る決心をしました。

――そこから不動産投資の勉強をはじめたのですね。

はい。不動産会社の営業マンの話をすべて鵜呑みにするのは危険だと感じたので、まず不動産投資の本を10冊ほど読みました。そのなかで芦沢晃氏の中古区分マンション投資に一番共感しました。芦沢氏はサラリーマンを続けながら区分マンション投資を現金で買い進め、大きな資産を築かれていたのが印象的でした。その頃の私は「アパートやマンションなどの一棟物件はサラリーマンには買えない」と思い込んでいたので検討対象外でした。

――中古区分マンション投資はすぐにスタートしたのですか?

はい。私は思い立ったら行動は早いほうなので、その年には1つめの物件である区分マンションを990万円でローンを組んで購入しました。

――利益は出ましたか?

ローン返済や管理費・修繕積立金、固定資産税などを差し引いたキャッシュフローは月にしてわずか3,000円でした。このままではほぼ利益が出ないと考え、家賃保証を解除したり、自分で管理して経費を削減したり、銀行の借り換えで金利を安くしたことにより、月1万円程度までキャッシュフローが増加しました。

自分が努力した分だけ利益が増えるのは嬉しかったのですが、よく考えてみると1戸で月1万円ということは、単純計算で100戸買っても月額100万円です。そこまで買うのに何十年もかかってしまい、いつまで経ってもサラリーマンを辞めることができないことに気づいたのです。そう思いながら勉強をしていくうちに、サラリーマンでも1棟アパートが買える選択肢があることを知りました。

「節税」目的で不動産投資は行わなかった

――それで1棟物件を購入することに決めたのですね。リスクは考えませんでしたか?

考えましたよ。当時、私は27歳で、年収600万円ほどでした。勤めていた製薬会社は上手く出世すれば35歳で年収1000万円に達します。そのため周りの上司や先輩を見渡すと、「節税」という甘い誘惑からあまり儲からない不動産投資を営業電話から鵜呑みにして、やっている人が多かったのです。ですから、私は節税目的ではなくて、利益を出す投資目的で不動産を購入しようと考えました。

――1棟物件を購入するにあたり失敗はありませんでしたか?

じつは最初に買いたかった1棟物件が買えなかったという失敗をしています。購入の検討をしていたのは1億3,000万円の重鉄マンションで、リフォーム前で利回り15%、リフォームの見積もり込みで13%という、今振り返っても魅力的な物件でした。リフォーム資金も含めて某銀行から融資を受けた購入するはずが、できなかったのです。

――それはなぜですか?

当時、売買契約(不動産を購入するための契約)まで終わっていた状況で急に調査が入り、不動産業者側でやっていた資産のエビデンス改ざんが発覚したのです。金銭消費貸借契約(金融機関との融資契約)の当日でキャンセルになりました。不正融資を受けるのは、自身もその不正に加担することです。今でこそ「手を染めてはいけない」と理解できますが、当時はよく理解していませんでした。まさに買う寸前だったのでラッキーだったといえます。

――結局、別の物件を購入したのですね。

買えるまでは、まだ紆余曲折がありました。当時の銀行から断られてしまったので、別のアパートを紹介してもらいました。次に4,400万円、利回り12%の木造アパートで購入検討をしたのですが、担当先のクリニックに営業回りをしていた際、クリニックの土地と建物を貸していた大家さんと知り合いました。大家さんは30代半ばで、ドクターは60歳を過ぎています。その年齢差を知って、「なんだ? この構図は!」と驚きました。

――普通だとお年寄りの地主さんが、若い人に物件を貸しているイメージですよね。

そうなんです。業界を知ってみると若い人が年上に貸しているケースもあるわけです。これに強い好奇心を持った私は、いろいろ教えてもらいに行きました。その方は親切で、私が購入物件の相談をすると、「ここはやめたほうがいい。近くに反社の事務所があるから」とアドバイスしてくれました。

――では、木造アパートも買わなかった?

はい。アドバイスに従いました。その大家さんは資産家の三代目でした。私にとっては、その人と出会うまでは業者から一方的に情報を得ていただけなので、初めてメンターといえる人に出会えたことになります。そうして数件買い逃した後、2014年に千葉県で1,560万円、利回り16%、築35年のアパートを買うことができました。

この後、6年ほどキャッシュフローを得て、2020年に18,00万円で売却しました。この物件はリフォームや運営など非常に勉強になったとともに、最終的に1,000万円近い利益を出してくれたありがたい物件でした。

1戸目に購入した中古区分マンションで、不動産投資の良さを知ると共に、1戸ずつ買い増やすことにスピードの遅さを感じた越谷大家さん。ようやく1棟物件が買えるようになってからは規模拡大の道へ進みます。次回は、不動産投資と組合せて行った投資や副業について詳しく聞きます。

※この記事は、不動産投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

© 株式会社マネーフォワード