昨季出場辞退のポージーが復帰初戦で安打 「戻って来られて嬉しい」

昨季の出場を辞退して全休したバスター・ポージー(ジャイアンツ)が日本時間3月1日に行われたエンゼルスとのオープン戦に「2番・捕手」でスタメン出場。1回裏の第1打席で四球を選ぶと、3回裏の第2打席でライト前ヒットを放ち、健在をアピールした。ポージーは試合後、「戻って来られて嬉しいよ。子供のときから野球をプレーするのが大好きだったからね。フィールドに出て戦うことができるのは素晴らしいことだ」と語った。

ポージーはコロナ禍で開催された昨季、新生児の双子を養子に迎えたことを理由に挙げ、出場辞退を決断。1試合もプレーしなかった。実戦でプレーするのは昨年3月のオープン戦以来およそ1年ぶりとなるが、攻守両面で安定感のあるプレーを披露。ゲーブ・キャプラー監督は「攻守両面で素晴らしい動きをしていた。まさにバスター・ポージーのような活躍だった」とチームの看板選手の復帰を喜んだ。

ポージーは昨季、スタンドにファンの写真が並ぶ状態で行われた試合をテレビで観戦していたという。出場を辞退したため、ポージー自身は無観客での試合を経験していないものの、「ホンモノの人間がスタンドにいる姿を見るのは、間違いなく素晴らしいことだね」と有観客開催のありがたみを実感したようだ。

現在33歳のポージーにとって、今季は9年1億6700万ドルという長期大型契約のラストイヤーとなる。来季の契約は年俸2200万ドルの球団オプションとなっているが、ポージーが今季、全盛期のような活躍を見せない限り、このオプションが行使されることはないだろう。よって、今季は今後の選手生活を左右する重要な1年になる。

2010年新人王、2012年MVP、ワールドシリーズ制覇3度など輝かしいキャリアを過ごしてきたポージーも近年は衰えが目立ち、成績の低下に歯止めがかからなくなっている。ジョーイ・バート、パトリック・ベイリーといったプロスペクト捕手も控えており、ジャイアンツの正捕手としてプレーするのは今季が最後になるかもしれない。キャリアの岐路に立たされているポージーの重要な1年がいよいよ幕を開けた。

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