ザ・フー、1967年発表『ザ・フー・セル・アウト』の112曲入りスーパー・デラックス・エディション発売!

ザ・フーが1967年にリリースした3作目にして初のコンセプト・アルバム『ザ・フー・セル・アウト』の112曲入りスーパー・デラックス・エディションが4月23日にリリースされることが決定した。

今作にはピート・タウンゼントの未発表デモ14曲を含む46曲の未発表曲を収録。CD5枚と7インチ・シングル2枚、ピート・タウンゼント他によるライナーノーツや貴重な写真が掲載された80ページのハードカバー・ブック、ポスター9枚、パンフやステッカーのレプリカ他がボックスセットに収められる。

また、このピート・タウンゼントのデモから「リリーのおもかげ」(Pictures Of Lily)、「キッズ! ドゥ・ユー・ウォント・キッズ?」、「オドロノ」の3曲が先行配信リリースされた。

1967年12月にリリースされた『ザ・フー・セル・アウト』は、のちにローリング・ストーン誌に“ザ・フー最高のアルバム”と評され、ポップカルチャー史で注目すべき年を反映したアルバムだった。

ピート・タウンゼントとマネージャーのキット・ランバート、クリス・スタンプが企画した自由なコンセプト・アルバムで、曲の合間にジングルやCMソングを挟み込み、海賊ラジオ局の放送のように形作られている。当初アルバム上に広告スペースを設けて販売するという革新的なプランがあったが、バンドが独自のジングルを作って海賊ラジオ局へ敬意を表し、大量消費に走る社会へのパロディとした。

ポップアートへのオマージュは、広告ジングルにもアルバム・ジャケットにもはっきり表れている。ジャケットを飾っているのは4枚の広告写真で、それぞれオドロノ社のデオドラント(ピート・タウンゼント)、メダック社のスポットクリーム(キース・ムーン)、チャールズ・アトラス社(ジョン・エントウィッスル)、ロジャー・ダルトリーとハインツ社のベイクドビーンズ、という役割になっている。ロジャー・ダルトリーは冷えた豆の中に長時間浸かっていたことで肺炎を起こした、という逸話も残っている。

大胆なコンセプトだけではない、その多様性を持った曲の数々にもあらためて驚かされる。全英TOP 10入りした「恋のマジック・アイ」(I Can See For Miles)、ピート・タウンゼントの“ミニ・オペラ”でミュージカルをモチーフにし、その後ロック・オペラ『トミー』に引き継がれた「ラエル」、サイケデリックな「アルメニアの空」(Armenia City In The Sky)や「リラックス」は、1960年代に書かれた最高の曲の一つとして座している。

『ザ・フー・セル・アウト』はスーパー・デラックス・エディション(CD5枚+7インチ・シングル2枚)の他、2CDデラックス・エディション、2LP(モノラル)、2LP(ステレオ)、デジタル配信の形態でリリースされる。

各ディスク詳細

CD 1:オリジナル・モノ・アルバム

・モノAB面及び未発表モノ・ミックス

CD 2:オリジナル・スタジオ・アルバム

・オリジナル・ステレオ・ミックス+ステレオ・ボーナス・トラック

CD 3:スタジオ・セッションズ1967/68(未発表音源)

・スタジオ・アウトテイク

・アルバム・セッションの初期テイク

・スタジオでの雑談 他

CD 4:ロード・トゥ『トミー』

・1968年録音スタジオ・トラックのステレオ・ミックス(未発表音源含む)

・1968年のシングルAB面のモノ・ミックス(ザ・フー所蔵のオリジナル4トラック及び8トラックのセッション・テープからリミックス)

CD 5:ピート・タウンゼント・デモ

・ピート・タウンゼントのオリジナル・デモ(未発表音源、スーパー・デラックス・エディションにのみ収録)

7インチ1:Track UKシングルの複製

7インチ2:Decca USAシングルの複製

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