【高校発みやざきSDGs】ー7ー飯野高(下) 地域に「学びの土壌」

子育て支援サークルNogikuのイベント。自治体や地域の事業者によるサポートが生徒の主体的な学びを支えている

 「誰もが安心して子育てできる環境をつくりたい」。この思いから生まれたのが子育て支援サークルNogiku(のぎく)だ。学校設定科目「地域探究活動」において子育てイベントや啓発活動を展開している。
 このプロジェクトが立ち上がったのは、親から子への虐待の報道がきっかけだ。虐待は親のストレスに起因するものが多いのではないかという仮説の下、イベントを実施。親がリラックスできる場を提供し、子どもには思い切り遊んでもらう。地域で子育てを見守る雰囲気をつくれれば、子育て世代が安心して暮らせる街をつくれるというものだ。
 昨年、この取り組みの成果・分析を子育て支援策としてまとめ、えびの市へ提言したことが、全国でのマニフェスト大賞優秀賞受賞という快挙となった。このほか生活文化科による「親子運動会」の企画や図書館での読み聞かせ会、普通科総合コースの保育園等での実践は、これからを担う高校生が主体となり地域にインパクトを与えている。
 こうした活動には、地域に共学共創の「学びの土壌」があることが大きい。本校には魅力化コアチームという事業家で構成された高校生の活動を支援するコンソーシアムがある。先日も、生徒と医療関係者でウィズコロナの地域医療について対話する会を実施している。ここでは大人の学びにも話が及ぶ。ポストコロナに向け、高校と地域が一体となり持続可能な社会づくりがえびの市では既に進んでいる。
 (指導教諭・梅北瑞輝)
=日曜日掲載=

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