【新型コロナ】ワクチン接種券、高齢者への発送延期 横浜市、供給少なく

横浜市役所

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、横浜市は1日、3月下旬から予定していた高齢者への接種券の発送を当面見合わせると発表した。国から県に示されたワクチン供給量の見込みが想定外に少なかったためで、ある程度の供給量が確保できると判明するまで、実施時期を未定とする。

 市によると、65歳以上の高齢者は約93万人。3月下旬から80歳以上(約29万人)に接種券を発送し、4月中旬までに65歳以上の高齢者に通知する予定だった。しかし、このほど示された国からのワクチン供給量が県内の65歳以上の約1%分にしかならないことが分かり、計画の変更を決めた。

 今後のスケジュールについて、市の担当者は「少なくとも月5万人分以上のワクチンが継続して確保できるようになれば、80歳以上への接種券の発送を開始できるのではないか」としつつ、供給量の見通しについては「全くわからない」と説明。接種の順番についても当初の計画を見直し、高齢者施設などでの「施設接種」から開始するとした。

 高齢者施設は市内に約1600あり、接種対象者は利用者約7万人と施設従事者約5.6万人の計12.6万人。市は医師や看護師の常駐施設、協力医療機関がある施設などから接種を始める考え。近く、集団接種や施設接種を想定したシミュレーションを実施する。

 市はワクチン接種に関するコールセンターを1日から開設しており、初日は接種時期や場所などに関する問い合わせが計289件あったという。

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