レコードデビューは「仮面舞踏会」ジャニーズ史上最長グループ、少年隊の軌跡! 1985年 12月12日 少年隊のデビューシングル「仮面舞踏会」がリリースされた日

ジャニーズ史上最長!少年隊の活動期間は39年

2020年末をもって錦織一清と植草克秀がジャニーズ事務所を退所し、その歴史に一旦のピリオドが打たれた少年隊。グループとしての活動は2008年の『PLAYZONE』公演を最後に12年間行なわれていなかったそうだ。しかしながら活動期間は39年にもわたり、今のところ紛れもなくジャニーズ史上最長記録のグループである。

もともと “少年隊” という名称は、ジャニーズ事務所の研究生である “ジャニーズJr.” に対する総称だった。1981年10月に始まった『ザ・ヤングベストテン』(テレビ東京)に際して錦織、植草と松原康行の3名で結成されたグループが “Bチーム” で、やがて “ジャニーズ少年隊” と呼ばれることに(ちなみに “Aチーム” はシブがき隊となる)。

翌年に松原から東山紀之へのメンバーチェンジがあり、少年隊が誕生するに至った。当初は近藤真彦やひかる一平のバックダンサーを務め、レコードデビューはそこから3年を要することになるのだが、その間にも単独でフジテレビ『夜のヒットスタジオ』に出演するなど人気を獲得。正式デビューへの大きな期待が寄せられていた。

少年隊レコードデビュー、キャッチフレーズは“日本発、世界行”

1983年10月、フジテレビの月曜ドラマランド枠『胸さわぎの放課後』に主演。12月には東宝で初主演映画『あいつとララバイ』が公開される。田原俊彦の主演作『エル・オー・ヴィ・愛・N・G』の併映でありながらも、大ヴェテランの井上梅次監督がメガホンをとった豪華キャストの作品で、主題歌「あいつとララバイ」も作られた。1984年4月にファースト・コンサートが開催され、翌月にはオリジナルソング「あなたに今Good-bye」が収録されたビデオ『少年隊』をリリース。そしていよいよ1985年12月12日、「仮面舞踏会」でレコードデビューする日が訪れる。

キャッチフレーズは “日本発、世界行”。まさしく満を持してのレコード発売だった。ちあき哲也の詞に筒美京平の曲。ジャニー喜多川はなんとしてもヒットさせるべく、船山基紀にアレンジを依頼する。それに対する船山の回答が、意表をつく5拍子のイントロだった。そのインパクトに関係者の誰もが唸り、ヒットを確信した。さらに錦織のアイデアにより、イントロにあの歌詞が付け加えられることとなる。

斬新なアイデアは中身だけではない。実際の盤もB面が異なる3タイプが作られ、ジャケット写真もカラーレコードの色も3種類という仕掛けも話題をさらった。期待通りの大ヒットを記録して、翌年の新人賞レースではレコード大賞の最優秀新人賞をはじめとする各音楽賞の新人賞を総ナメにする。

少年隊主演ミュージカル「PLAYZONE」スタート、紅白も8年連続出場

1986年には主演ミュージカル『PLAYZONE』が開幕し、同年暮れの第37回『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした。司会の加山雄三がどういうわけか勢い余って「仮面舞踏会」の曲紹介を「仮面ライダー!」とやってしまったのは、もはや紅白の伝説となっている。それで縁起が担がれたせい(?)だろうか、以後8年連続で出場を果たすこととなった。

「デカメロン伝説」「バラードのように眠れ」「stripe blue」と筒美作品でヒットを連発。2度目の紅白出場曲となったバラードの名曲「君だけに」は同年公開の主演映画『19 ナインティーン』のエンディングテーマにも使われた。1987年11月にリリースされた「ABC」の高揚感は、バブル景気まっしぐらだった当時の世相と絶妙にマッチしていた印象がある。

90年代以降も、CM、ミュージカル、ドラマで活躍

1990年の「FUNKY FLUSHIN'」のカヴァーが前段となり、1998年に山下達郎の「湾岸スキーヤー」が提供されたのは嬉しい報せだった。そもそも1993年に「ららぽーとスキードームSSAWS(ザウス)」のCMソングとして作られた曲に秋元康の詞が施されて復活。フジテレビ系『長野オリンピック』のイメージソングとなった。

その後は次第にメンバー個々の活動が増えてゆき、ミュージカル『PLAYZONE』を後進に譲った2008年以降は3人が顔を揃える機会はなくなったが、決して解散したわけではなかった。

植草がずっと出演していたドラマ『渡る世間は鬼ばかり』に、途中から錦織がレギュラー入りしたのはファンを喜ばせるキャスティングだった。スペシャル回には東山がゲスト出演したことも。

2021年から事実上の活動休止… 3人揃って舞台に立つ日を信じて

レコードデビューから丸35年となる2020年12月12日、全シングル曲を収録したベストアルバム『少年隊 35th Anniversary BEST』がリリースされた。レコードデビュー以前の映画主題歌やビデオ発売だった曲、CMソングなどのレアトラックスも収められたオールタイムベストは、それまでの長年のブランクを埋めてくれた気がする。

2021年から事実上の活動休止状態に入ったとはいえ、東山は事務所に残って活動を続け、少年隊の名前も事務所所属のグループとして存続させることがアナウンスされている。いつの日かまた、3人で舞台に立つ機会があるかもしれない。いや、きっとあると信じたい。

それにしても、3人がタイムパトローラーを演じたSF映画『19 ナインティーン』をもう一度観たいものだ。ヒロインの小沢なつきが可愛かったのです。

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カタリベ: 鈴木啓之

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