37歳・グレインキー「僕が目指す唯一の記録は10本塁打&10盗塁」

現在37歳のザック・グレインキー(アストロズ)は通算208勝、2689奪三振、防御率3.37を記録し、サイ・ヤング賞1度、オールスター・ゲーム選出6度など輝かしいキャリアを過ごしてきた。通算3000奪三振といったマイルストーンの達成も視野に入るが、グレインキーはあまり興味を示していない。「どの記録が最も気になるか」を尋ねられたグレインキーは「僕が唯一気になっているのは、10本塁打と10盗塁を達成できるかどうかだ」と答えた。

通算300勝の達成が困難になっている現代において、先発投手がアメリカ野球殿堂入りを果たすための基準として「通算200勝と3000奪三振」が挙げられることが多い。グレインキーはすでに前者を達成し、後者の達成にもあと311に迫っている。また、あと12勝を積み上げると、ドン・ドライスデール、ジョン・スモルツ、ペドロ・マルティネスといった殿堂入り投手を追い抜くことができる。

ところが、グレインキーの眼中にある唯一のマイルストーンは「通算10本塁打&10盗塁」という、ピッチングには全く関係のないものだった。グレインキーはこれまでのキャリアで通算9本塁打&9盗塁を記録。しかし、2019年途中にダイヤモンドバックスからアストロズへトレードされたあとは打席に立つ機会が激減し、数字を積み上げることができていない。昨季は両リーグでDH制が採用されたため、1度も打席に立てなかった。

グレインキーはダイヤモンドバックス時代の2018年に3盗塁、2019年には3本塁打を記録している。過去にシルバースラッガー賞を2度受賞したことからもわかるように、打撃力は投手のなかでもトップクラス。打席に立つチャンスさえあれば、1920年以降でボブ・ギブソン(24本塁打&13盗塁)しか達成していない「投手による通算10本塁打&10盗塁」をクリアできる可能性は十分にある。グレインキーがあと1本塁打と1盗塁を積み上げることができるか注目したい。

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