サイ・ヤング賞のビーバー 「カーブ依存」からの脱却を目指す

インディアンスは日本時間3月2日に行われたロイヤルズとのオープン戦で昨季のサイ・ヤング賞投手シェーン・ビーバーが初登板。2イニングを投げる予定だったビーバーは初回を三者凡退に抑えたものの、2回表に3連打を含む4安打を浴びるなど球数が増え、予定より早くマウンドを降りることになった。満足のいく結果ではなかったが、まだ「試運転」の段階。ビーバーは今季に向けて「カーブ依存」からの脱却を目指している。

2回途中4安打4失点(自責点3)という結果でオープン戦初登板を終えたビーバーについて、テリー・フランコーナ監督は「彼はいろいろ試行錯誤している段階だと思う。いろいろ試した結果、2イニング目を犠牲にすることになってしまったね」とコメント。まだ調整段階ということもあり、エースの状態を必要以上には心配していないようだ。

この日のビーバーは決め球のカーブを使わないことに決めていた。女房役のロベルト・ペレスは速球とチェンジアップのコンビネーションで初回を乗り切り、2イニング目はスライダーを交えながらのリードを展開。ビーバーは「第2の決め球としてスライダーを磨きたい」との課題を持ってマウンドに上がっており、安易にカーブとカッターに頼ることはしなかった。

ビーバーは2019年、カーブよりもスライダーを使う頻度のほうが高かった。しかし、昨季はカーブの状態が良かったため、スライダーの使用頻度を大幅に減らし、カーブを多投。2019年は2番目に使用頻度が高かったスライダーだが、昨季は速球、カーブ、カッターに次ぐ4番目となっていた。とはいえ、カーブに依存していれば、いずれ狙い打ちされる日がやってくる。「別の決め球を持つことで打者に違った印象を与えられる。それは僕にとって大きなことなんだ」とビーバーはスライダーの質を向上させることに取り組んでいる。

結果にはつながらなかったものの、「得られたものは大きかった」と初登板を振り返ったビーバー。開幕までにはスライダーの改良を終え、進化した姿を見せてくれるに違いない。

© MLB Advanced Media, LP.