息子は大津波に奪われた 専修大OB遺族、10年の奮闘 6日にオンラインシンポ

慰霊碑の前に立つ田村夫妻=宮城県女川町(専修大提供)

 東日本大震災から10年の節目を機に、命の大切さについて考えるシンポジウムが6日、オンラインで開かれる。津波で息子を失った両親が原因究明や再発防止に向けて奮闘する日々を通じ、安心安全な社会の在り方を探る。専修大などの主催。

 同大法学部卒の田村健太さん=当時(25)=は2011年3月11日、勤務先の七十七銀行女川支店(宮城県女川町)で被災。同行の防災マニュアルに従って同僚と高さ約10メートルの2階建ての屋上に避難したが、20分後に押し寄せた大津波にのみ込まれ命を落とした。

 両親の孝行さんと弘美さんは、息子の命が奪われた原因の解明と責任を問い続け、訴訟を起こすとともに再発防止と命の大切さを伝え続けている。

 「いのちを大切にする安全な社会づくりをめざして」と題したシンポでは、夫妻の活動の軌跡をたどるほか、日航ジャンボ機墜落事故の遺族らを交えたパネル討議を実施。遺族に寄り添い続ける作家で評論家の柳田邦男さんがまとめの言葉を添える。

 当初は両親が19年2月に「一般社団法人健太いのちの教室」を設立したことを踏まえて昨年3月を予定していたが、コロナ禍の影響で延期になっていた。

 午後1時開始。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」によるオンライン配信。参加費無料だが、事前申し込みが必要。申し込みは、参加フォーム(https://onl.tw/Awfp9HK)から。

© 株式会社神奈川新聞社