局部切断の「阿部定事件」を描き論争 大島渚監督 最大の問題作「愛のコリーダ 修復版」予告編

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4月30日より劇場公開される、大島渚監督作「愛のコリーダ 修復版」の予告編が公開となった。2023年に大島渚監督作品が国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショー公開となる。また、同じく大島渚が監督した「戦場のメリークリスマス 4K修復版」も、4月16日より劇場公開される。

公開された予告編では、松田英子演じる定(サダ)と藤竜也演じる吉(キチ)の出会いから、狂おしいほど求め合うようになる二人の姿が切り取られている。さらに、愛情が強くなればなるほど独占したくなる定と、そんな定を深い愛で優しく受け止める吉の姿も描き出されている。また、「ミッドサマー」のアリ・アスター監督による、「本作に大きな影響を受けた」とコメントも映し出される。

「愛のコリーダ」(1976)は、女性が男性の局部を切り取った1936年の「阿部定事件」を題材に、男女の愛欲を描いた作品。松田英子が阿部定を、藤竜也が阿部定と愛し合う吉蔵を演じている。セックス描写のリアルさを追求し、映画での「本番行為」が芸術かエロスかで大きな議論を巻き起こしたことでも話題となった。また、本作の脚本や宣伝用写真などを掲載した同名の書籍が「わいせつ物頒布罪」であるとして、大島渚監督や出版社社長が検挙されたことも注目を集めた。

愛のコリーダ 修復版
2021年4月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
©大島渚プロダクション
R18+指定

© 合同会社シングルライン