【連載】『令和2年度卒業記念特集』第37回 吉田瑞萌/女子ハンドボール

©早稲田スポーツ新聞会

自分次第

「常に先頭に立つ意識だけは持っていました。」主将として過ごした1年間をそう振り返った吉田瑞萌(スポ=東京・佼成学園女)。世代別日本代表に選出された経験を持つ彼女が早稲田大学女子ハンドボール部で過ごした4年間で得たものとは。エースとして、また主将として歩んだその軌跡を追った。

ハンドボールを始めたきっかけは小学生の時にできたハンドボールクラブでの体験が楽しかったこと。中学生時に経験した悔しさを糧に、「トップを目指して」強豪・佼成学園女子に進学した。日本一を目指すチームで研鑽を積んだ吉田だったが、他人の目を気にしてプレーし、ハンドボールを心から楽しめていないことに気付いたという。このことが「自分で考えながら自分の好きなようにプレーできる」早稲田に進学するきっかけとなった

早慶定期戦でミドルシュートを放つ吉田

早稲田大学に進学すると、2年生時に新人賞と得点王を受賞。下級生の時からその類まれなる実力を遺憾なく発揮し、エースポジションでの出場機会を増やしていったが、意外にもプレッシャーは感じていなかったという。そこには“エースとして”ではなく、自分のプレーに集中できたことと先輩方のケアがあったと語った。しかし、学年が上がるにつれ、吉田へのマークは厳しくなっていく。吉田はそんな時でも自分が通用するプレーを追い求め続けた。特に3年生時には自身のプレーの改善点を学べた大事な1年だったという。

そして、4年生時には主将に就任。「プレーや背中で見せる」キャプテン像を目指して最後の1年に挑んだ。だが、未知のウイルスの蔓延により、主要大会が次々と中止に。さらに、最後に臨んだ関東学生秋季リーグでは脳震とうによる欠場を経験。チームの連敗中に離脱を余儀なくされたことは苦しかったと語った。しかし、この離脱をきっかけに同期の4年生の頼もしさや後輩の積極性がより感じられ、チームの結束力が高まったという。プレーで引っ張ってきた主将としての吉田の努力が結実した瞬間だった。その後のチームは3連勝で1年を締めくくった。

秋季リーグ最終戦で勝利し、拳を挙げる吉田

今後、ハンドボールは応援する側に回るという吉田。これまでの早稲田での経験から「これからも積極的に自分で考えて答えを出していきたい」とその未来へ意気込んだ。エースとして、主将としてチームの最前線に立ち、相手ディフェンスに切り込んできた彼女がチームメイトにどれほどの勇気を与えてきただろうか。常に自らで考え、行動に移してきた吉田は今後もその道を自らの手で切り拓いていくであろう。

(記事 杉原優人、写真 杉原優人、栗林真子氏)